ジクロフェナク合成での分子内フリーデルクラフツアルキル化 102回薬剤師国家試験問104

第102回薬剤師国家試験 問104
ジクロフェナクナトリウムは、化合物Aから化合物Bを経由して合成できる。
化合物Bはどれか。1つ選びなさい。

 

ジクロフェナク合成での分子内フリーデルクラフツアルキル化 102回薬剤師国家試験問104

 

ジクロフェナク合成での分子内フリーデルクラフツアルキル化 102回薬剤師国家試験問104

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薬剤師国家試験過去問題集 化学 芳香族化合物

 

第102回薬剤師国家試験 問104 解答解説

 

正解は4である。

 

ジクロフェナク合成での分子内フリーデルクラフツアルキル化 102回薬剤師国家試験問104

 

AからBへの変化は、芳香族化合物のフリーデル・クラフツ アルキル化反応が分子内で進行した考えられる。

 

フリーデル・クラフツアルキル化の反応機構は下記のリンク先を参照
フリーデル・クラフツアルキル化の反応機構

 

設問のAからBへの反応の進行は下記の通り。

 

ジクロフェナク合成での分子内フリーデルクラフツアルキル化 102回薬剤師国家試験問104

 

なお、B→ジクロフェナクナトリウムの反応について、

 

ジクロフェナク合成での分子内フリーデルクラフツアルキル化 102回薬剤師国家試験問104

 

Bからジクロフェナクナトリウムへの反応は、アミドの塩基性条件下での加水分解であり、アミドの正に分極したカルボニル炭素を水酸化物イオン(HO−)が求核攻撃し、結果、カルボキシラートイオン(COO−)とアミン(NH)が生成する(カルボン酸誘導体の求核アシル置換反応)。
アミドはカルボン酸誘導体の中でもエネルギーが低く安定性が高いため、反応性に乏しい化合物である。よって、長時間の加熱等の厳しい条件下でないとアミドの求核置換反応は進行しない。

 

アミドの加水分解については下記のリンク先を参照
アミドの酸性・塩基性条件下での加水分解 85回問14b

 

★他サイトさんの解説へのリンク
第102回問104(e-RECさん)

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