ビルダグリプチンの窒素原子の塩基性 102回問107の3

第102回薬剤師国家試験 問107の3
ビルダグリプチンに関する記述の正誤を判定してみよう。

 

ビルダグリプチン a及びbの窒素原子の塩基性 102回薬剤師国家試験問107の3

 

3  a及びbで示される2つの窒素原子のうち、bの方が塩基性が強い。

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第102回薬剤師国家試験 問107の3 解答解説

 

ビルダグリプチン a及びbの窒素原子の塩基性 102回薬剤師国家試験問107の3

 

3 ×  a及びbで示される2つの窒素原子のうち、bの方が塩基性が強い。
→ ○ aの方が塩基性が強い。

 

◆ aについて
aの窒素は、下記の@〜Bのことから比較的に強い塩基性を示すと考えられる。

 

@ 脂肪族アミンである。
A 供与可能な非共有電子対がsp3混成軌道に収容されている。
B 電子供与性誘起効果を与えるアルキル基が2つ置換しており、電子密度が高まっている。

 

ビルダグリプチン a及びbの窒素原子の塩基性 102回薬剤師国家試験問107の3

 

 

◆ bについて

 

bはアミドの窒素原子である。

 

ビルダグリプチン a及びbの窒素原子の塩基性 102回薬剤師国家試験問107の3

 

アミドの窒素原子の非共有電子対は共鳴によりカルボニルとの間で非局在化する。

 

ビルダグリプチン a及びbの窒素原子の塩基性 102回薬剤師国家試験問107の3

 

また、アミドの窒素は、隣接するカルボニルの強力な電子求引性誘起効果により電子密度が低下している。

 

ビルダグリプチン a及びbの窒素原子の塩基性 102回薬剤師国家試験問107の3

 

以上のことから、
アミドの窒素は塩基性をほとんど示さない。

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