2,4-pentanedioneの3位水素の脱プロトン化 91回薬剤師国家試験問9d

第91回薬剤師国家試験 問9d
カルボニル基に関する下記の記述の正誤を判定してみよう。

 

d 塩基による2,4-pentanedioneの3位水素の脱プロトン化は、2-pentanoneの3位水素の脱プロトン化よりも容易である。

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第91回薬剤師国家試験 問9d 解答解説

 

d ○ 塩基による2,4-pentanedioneの3位水素の脱プロトン化は、2-pentanoneの3位水素の脱プロトン化よりも容易である。

 

 物質のある構造を酸としてみた場合の酸性度(脱プロトン化のされやすさ)について、その共役塩基の安定性が高いほど酸の酸性度は強い。
カルボニルに隣接する炭素の水素(α水素)は比較的酸性度が強い。理由は、α水素がプロトンとして脱離した後に生成する共役塩基は、共鳴により負電荷がカルボニルとの間で非局在化するので安定性が高いからである。

 

2,4-pentanedioneの3位水素は2つのカルボニルに隣接する炭素のα水素である。
2つのカルボニルに隣接する炭素のα水素では、その共役塩基は共鳴により負電荷が2つのカルボニルの間で非局在化するので隣接するカルボニルが1つのものより安定性がさらに高い。
したがって、2つのカルボニルに隣接する炭素のα水素である2,4-pentanedioneの3位水素は、1つのカルボニルに隣接する炭素のα水素である2-pentanoneの3位水素よりも酸性が強い(脱プロトン化されやすい)。

 

α水素の脱プロトン化 酸性度の比較 91回薬剤師国家試験問9d

 

 

α水素の脱プロトン化 酸性度の比較 91回薬剤師国家試験問9d

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