アセトアニリド 求電子置換反応(ニトロ化)の配向性・反応性 95回薬剤師国家試験問10b

第95回薬剤師国家試験 問10b
芳香族化合物に関する記述の正誤を判定してみよう。

 

b アセトアニリドヘの求電子的ニトロ化反応は、メタ位に比べ、オルト位及びパラ位に優先して起こる。

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薬剤師国家試験過去問題集 化学 芳香族化合物

 

第95回薬剤師国家試験 問10b 解答解説

 

アセトアニリド 求電子置換反応(ニトロ化)の配向性・反応性 95回問10b
b ○ アセトアニリドヘの求電子的ニトロ化反応は、メタ位に比べ、オルト位及びパラ位に優先して起こる。

 

既存の置換基の共鳴効果よる芳香族求電子置換反応の配向性について、既存の置換基が電子供与性共鳴効果を与える場合はオルト・パラ配向性となり、既存の置換基が電子求引性共鳴効果を与えるならばメタ配向性となる。
アセトアニリドは芳香環の置換基としてアミノ基(アミドのアミノ基含む)が置換しているとみなすことができる。アミノ基(アミドのアミノ基含む)は電子供与性共鳴効果を与えるのでオルト・パラ配向性となる。

 

芳香族求電子置換反応について、芳香環のどの位置で反応が進行しやすいか考える際、既存の置換基の共鳴効果による配向性に加えて、既存の置換基による立体障害も考慮する。
既存の置換基による立体障害について、置換基のオルト位は立体障害が大きい。

 

アミノ基(アミドのアミノ基含む)による共鳴効果と立体障害の2点を考えると、アセトアニリドでは、主に4位(アミノ基のパラ位)で求電子置換反応が起こると考えられる。

 

アセトアニリド 求電子置換反応(ニトロ化)の配向性・反応性 95回問10b

 

★ 芳香族化合物における置換基による求電子置換反応の進行の比較

 

アセトアニリド 求電子置換反応(ニトロ化)の配向性・反応性 95回問10b

 

 

芳香族求電子置換反応の配向性・反応性については下記のリンク先を参照
芳香族求電子置換反応の配向性・反応性

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