タクロリムスはヘミアセタール構造を持つ 106回薬剤師国家試験問109の4,5

106回薬剤師国家試験問109の4,5
次の構造式で示す化合物Aに関する記述の正誤を判定してみよう。

 

タクロリムスはヘミアセタール構造を持つ 106回薬剤師国家試験問109の4,5

 

4 ピロール環をもつ。
5 ヘミアセタール構造をもつ。

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106回薬剤師国家試験 問109の4,5 解答解説

 

化合物Aのような大環状ラクトン(環状エステル)を有する有機化合物を総称してマクロライドと呼ぶ。
化合物Aは放線菌によって生産されるマクロライド系免疫抑制剤のタクロリムスである。

 

◆ 4について
4 × ピロール環をもつ。
→ 〇 ピペリジン環を持つ。

 

タクロリムスはヘミアセタール構造を持つ 106回薬剤師国家試験問109の4,5

 

タクロリムスはヘミアセタール構造を持つ 106回薬剤師国家試験問109の4,5

 

 

◆ 5について
5 〇 ヘミアセタール構造をもつ。

 

アルデヒド・ケトンに対するアルコールの求核付加反応が起こり、
アルコールが2分子付加した構造をアセタールと呼ぶ。
アルデヒド・ケトンに対して、アルコールが1分子のみ求核付加した構造をヘミアセタールと呼ぶ(ヘミとは半分を意味する)。

 

タクロリムスはヘミアセタール構造を持つ 106回薬剤師国家試験問109の4,5

 

アルデヒド・ケトンに対するアルコールの求核付加反応は下記のリンク先を参照
アルデヒド・ケトンとアルコールでアセタール 91回問9c へ

 

 

化合物Aは下記の通りヘミアセタール構造を持つ。
また、環状なので、環状ヘミアセタール構造といえる。

 

タクロリムスはヘミアセタール構造を持つ 106回薬剤師国家試験問109の4,5

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