薬物が単純拡散により生体膜透過する際の定常状態 95回薬剤師国家試験問152
95回薬剤師国家試験 問152
薬物が単純拡散により生体膜透過する際の定常状態における模式図を示す。
ここで、Cout 及び Cinは細胞外及び細胞内の薬物濃度とする。細胞外に薬物溶液を入れたときの薬物濃度の特徴を説明するのに最も適した図はどれか。1つ選びなさい。
ただし、この薬物の分配係数(生体膜/水)は1より大きいとし、細胞外及び細胞内液成分は水と仮定する。
95回薬剤師国家試験 問152 解答解説
単純拡散により生体膜を透過する薬物について、
細胞外に薬物溶液を入れたときの薬物濃度の特徴を説明するのに最も適した図は、
選択肢2の図である。
単純拡散では、濃度勾配に従い拡散するので、
細胞外に薬物溶液を入れると、
細胞外から細胞内に向かって薬物は拡散する。
よって、生体膜中の薬物濃度は細胞外から細胞内に向かって低下する。
さらに、薬物の分配係数(生体膜/水)は1より大きいので、
細胞外に接する面の生体膜薬物濃度は細胞外液より高くなり、
細胞内に接する面の生体膜薬物濃度は細胞内液より高くなる。
以上のことから、選択肢2の図が正解と考えられる。