溶質分子が単位時間に透過する物質量と反比例の関係にあるのはどれか 102回薬剤師国家試験問49
102回薬剤師国家試験 問49
下図のような拡散制御膜において、溶質分子が単位時間に透過する物質量と反比例の関係にあるのはどれか。1つ選びなさい。
1 溶質の膜中での濃度差(C1−C2)
2 溶質の膜中での拡散係数
3 溶質の分配係数(C1/Cin)
4 膜の厚さ
5 膜の有効表面積
102回薬剤師国家試験 問49 解答解説
設問の図は、単純拡散による膜透過を表し、この場合、
溶質分子が単位時間に透過する物質量と反比例の関係にあるのは、
4の膜の厚さである。
他の選択肢にある、
1 溶質の膜中での濃度差(C1−C2)
2 溶質の膜中での拡散係数
3 溶質の分配係数(C1/Cin)
5 膜の有効表面積
以上のものは透過速度に比例する。
以下、詳細説明
単純拡散による膜透過について、Fickの第1法則に従うとすると、
溶質分子が単位時間に透過する物質量(透過速度:J)は、以下の拡散速度式に従う。
@,A式より、Fickの第1法則に従う溶質の膜透過について、
透過速度(J)と比例するものと反比例するものは下記の通り。
◆ 透過速度と比例するもの
・溶質のドナー溶液とレセプター溶液の濃度勾配(Cin−Cout)
・溶質の膜中での濃度勾配(C1−C2)
・溶質の膜中での拡散係数(D)
・溶質の膜への分配係数(K:C1/Cin)
・膜の有効表面積(A)
◆ 透過速度と反比例するもの
・膜の厚さ(L)
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