単純拡散と担体介在輸送の輸送速度 99回薬剤師国家試験問166の1
99回薬剤師国家試験 問166の1
薬物の生体膜輸送についての記述の正誤を判定してみよう。
1 単純拡散による輸送速度は薬物濃度差に比例するが、促進拡散及び能動輸送では飽和性が見られる。
99回薬剤師国家試験 問166の1 解答解説
1 〇 単純拡散による輸送速度は薬物濃度差に比例するが、促進拡散及び能動輸送では飽和性が見られる。
単純拡散では、薬物は担体を介さず、濃度勾配または電気化学ポテンシャル差に従って透過し、
その輸送速度は、Fickの第一法則に従い、細胞内と細胞外の薬物濃度差に比例するとされる。
一方、担体介在輸送の輸送速度はミカエリス・メンテン式で表される。
薬物濃度がミカエリス定数(Km)よりきわめて低い場合、輸送速度は薬物濃度に比例するが、
薬物濃度がミカエリス定数(Km)よりきわめて高い場合、輸送は飽和しており、薬物濃度によらず、輸送速度は最大値(Vmax)で一定となる。