薬剤師国家試験過去問題集 医薬品の添加剤

水性懸濁液中の粒子の分散安定性を高めるために添加される半合成高分子 107回薬剤師国家試験問50

107回薬剤師国家試験 問50
水性懸濁液中の粒子の分散安定性を高めるために添加される半合成高分子はどれか。1つ選びなさい。
1 ポビドン
2 メタクリル酸コポリマー
3 アルブミン
4 カルメロースナトリウム
5 アラビアゴム

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107回薬剤師国家試験 問50 解答解説

 

水性懸濁液中の粒子の分散安定性を高めるために添加される半合成高分子は、
4のカルメロースナトリウムである。

 

カルメロースとはカルボキシメチルセルロースことであり、
セルロースのヒドロキシ基の一部にカルボキシメチル基(−CH2COOH)を結合させた半合成高分子である。
カルメロースナトリウム(CMC-Na)は水溶性で、水溶液は粘調であり、結合剤,粘調化剤,乳液や懸濁液など分散系製剤の安定化剤,軟膏や乳剤の基剤として用いられる。

 

なお、クロスカルメロースナトリウムは、カルメロースが内部架橋されたもの(クロスカルメロース)のナトリウム塩であるが、スーパー崩壊剤として用いられる。

 

関連問題
カルメロースカルシウム 崩壊剤 100回問54

 

以下、他の選択肢についての解説

 

1のポビドン(ポリビニルピロリドン:PVP)は、1-ビニル2-ピロリドン(N-ビニル2-ピロリドン)を重合させた合成高分子であり、湿式顆粒圧縮法の結合剤,懸濁剤,フィルムコーティング剤,溶解補助剤として用いられる。
関連問題
ポビドン 懸濁化剤や結合剤として用いる合成高分子 106回問52

 

2のメタクリル酸コポリマーは合成高分子であり、酸性条件では溶解せず、中性からアルカリ性条件で溶解するので、腸溶性コーティング剤として用いられる。

 

3のアルブミンは天然高分子であり、注射剤の安定化剤として用いられる。

 

5のアラビアゴムはアカシア属植物の幹及び枝から得た分泌物であり、
その主成分はアラビン酸やガラクトースを主な構成成分とする多糖である。
アラビアゴムは天然の水溶性高分子であり、その水溶液は低粘度の透明な液体であり、エタノールにはほとんど溶けない。
医薬品の添加剤としては、結合剤,懸濁化剤(懸濁安定化剤),乳化剤として用いられる。

 

 

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107回問50(e-RECさん)

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