薬剤師国家試験過去問題集 医薬品の添加剤

懸濁化剤や結合剤として用いられる合成高分子はどれか 106回薬剤師国家試験問52

106回薬剤師国家試験 問52
図の化学構造を有し、懸濁化剤や結合剤として用いられる合成高分子はどれか。1つ選びなさい。

 

ポビドン 懸濁化剤や結合剤として用いる合成高分子 106回薬剤師国家試験問52

 

1 ポビドン
2 ヒプロメロース
3 メチルセルロース
4 カルメロース
5 アラビアゴム

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106回薬剤師国家試験 問52 解答解説

 

正解は1のポビドンである。
ポビドン(ポリビニルピロリドン:PVP)は、1-ビニル2-ピロリドン(N-ビニル2-ピロリドン)を重合させた合成高分子であり、水やアルコールに溶け、粘度の低い溶液となる。

 

ポビドン 懸濁化剤や結合剤として用いる合成高分子 106回薬剤師国家試験問52

 

ポビドン(PVP)は医薬品の添加剤としては、
湿式顆粒圧縮法の結合剤,懸濁剤,胃溶性フィルムコーティング剤,溶解補助剤として用いられる。

 

以下、他の選択肢の添加剤について解説

 

2のヒプロメロースはヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)のことであり、
セルロースのヒドロキシ基の一部にメチル基(−CH3)またはヒドロキシプロピル基(−CH2CHOHCH3)を結合させた半合成高分子であり、水を加えると膨潤し,澄明又は僅かに混濁した粘稠性のある液となる。エタノールには溶けない。
ヒプロメロース(HPMC)は、湿式顆粒圧縮法の結合剤,胃溶性フィルムコーティング剤,増粘剤,懸濁化剤(懸濁安定化剤)などに使用される。

 

3のメチルセルロースは、
セルロースのヒドロキシ基の一部にメチル基(−CH3)を結合させた半合成高分子であり、
メチル化の程度により溶解性が異なる。
メチルセルロースの水溶液は、低温では液状であるが、加熱によりゼリー状となる。
医薬品の添加剤としては、結合剤,増粘剤,懸濁化剤(懸濁安定化剤),水溶性の軟膏基剤として用いられる。
関連問題
メチルセルロースは点眼剤の粘調剤として使用される 96回問175b

 

4のカルメロースとはカルボキシメチルセルロースことであり、
セルロースのヒドロキシ基の一部にカルボキシメチル基(−CH2COOH)を結合させた半合成高分子である。カルメロースは吸湿性があり、水に溶け、水溶液は粘調な液体である。
医薬品の添加剤としては、賦形剤,崩壊剤,増粘剤として用いられる。

 

 

5のアラビアゴムはアカシア属植物の幹及び枝から得た分泌物であり、
その主成分はアラビン酸やガラクトースを主な構成成分とする多糖である。
アラビアゴムは天然の水溶性高分子であり、その水溶液は低粘度の透明な液体であり、エタノールにはほとんど溶けない。
医薬品の添加剤としては、結合剤,懸濁化剤(懸濁安定化剤),乳化剤として用いられる。

 

 

★ 他サイトさんの解説リンク
106回問52(e-RECさん)

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