薬剤師国家試験過去問題集 医薬品の添加剤

無菌製剤の添加剤 91回薬剤師国家試験問174

91回薬剤師国家試験 問174
無菌製剤の添加剤に関する記述のうち、正しいものはどれか。
1 日本薬局方インスリン注射液には、等張化剤として塩化ナトリウムが添加されている。
2 用時溶解して用いる注射剤には、賦形のみを目的とする添加剤を加えてはならない。
3 ブドウ糖輸液製剤には、通例保存剤を添加する。
4 点眼剤には、pHを調整する目的で無害の酸又はアルカリを加えてはならない。
5 塩化ベンザルコニウムは、点眼剤用保存剤としても用いられる。

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91回薬剤師国家試験 問174 解答解説

 

◆ 1について
1 × 日本薬局方インスリン注射液には、等張化剤として塩化ナトリウムが添加されている。
インスリン注射液の等張化剤として塩化ナトリウムは用いられない。

 

インスリン注射液の等張化剤には専ら濃グリセリンが用いられる。
塩化ナトリウムは強熱残分試験法に支障をきたすため、
ブドウ糖は血糖値を上昇させるため、
これらはインスリン注射の等張化剤としては用いられない。

 

関連問題
濃グリセリンはインスリン注射液の等張化剤として使用される 96回問175a

 

 

◆ 2について
2 × 用時溶解して用いる注射剤には、賦形のみを目的とする添加剤を加えてはならない。
→ 〇 用時溶解して用いる注射剤には、賦形のみを目的とする添加剤を加えることができる。

 

 

◆ 3について
3 × ブドウ糖輸液製剤には、通例保存剤を添加する。

 

100mLを超えない注射剤は、通例、微生物の発育を抑える保存剤を添加する。
しかし、輸液など100mL超の多量に使用する注射剤は、通例、保存剤を添加しない。

 

 

◆ 4について
4 × 点眼剤には、pHを調整する目的で無害の酸又はアルカリを加えてはならない。
→ 〇 点眼剤には、pHを調整する目的で無害の酸又はアルカリを加えることができる。

 

 

◆ 5について
5 〇 塩化ベンザルコニウムは、点眼剤用保存剤としても用いられる。

 

ベンザルコニウム塩化物は第4級アンモニウム塩であり、陽イオン界面活性剤である。
殺菌・消毒作用があるので、微生物の増殖を抑制するための保存剤(防腐剤)として用いられ、点眼剤にも使用される。

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