アルデヒド・ケトン NaBH4によるヒドリド還元の反応機構 85回薬剤師国家試験問5e
第85回薬剤師国家試験 問5e
アルデヒドとケトンの化学反応性に関する次の記述の正誤を判定してみよう。
e アルデヒド・ケトンの両者とも、水素化ホウ素ナトリウム（NaBH4）による還元によって第二級アルコールを生成する。
第85回薬剤師国家試験 問5e
e × アルデヒド・ケトンの両者とも、水素化ホウ素ナトリウム（NaBH4）による還元によって第二級アルコールを生成する。
→ 〇 NaBH4による還元について、アルデヒドでは第一級アルコールを、ケトンでは第二級アルコールを生成する。
テトラヒドリドアルミン酸リチウム（LiAlH4））や水素化ホウ素ナトリウム（NaBH4）はヒドリドイオン（H：−）の供与体となり、相手を還元する。
アルデヒド・ケトンにLiAlH4やNaBH4を反応させると、ヒドリドイオン（H：−）がカルボニル炭素に求核付加し、C=OがCH−O：‐となり、その後に酸処理すると、CH−OHのアルコールとなる。
アルデヒドとNaBH4との反応では第一級アルコールを生成し、
ケトンとNaBH4との反応では第二級アルコールを生成する。
ヒドリドイオンは塩基性が強く反応性が高いので安定性が低い。
そのため、アルコールからアルデヒド・ケトンとヒドリドイオンに戻る反応は起こりにくい。
したがって、アルデヒド・ケトンのヒドリド還元は不可逆反応である。