アルデヒド,ケトンとメタノールCH3OHとの反応でアセタール 92回薬剤師国家試験問9a

第92回薬剤師国家試験 問9a
試薬aをアルデヒド・ケトンと適切な条件下で反応させたときの生成物をア〜カより選びなさい。

 

a CH3OH

 

ア hydrazone
イ oxime
ウ acetal
エ imine
オ hydrate
カ  cyanohydrin

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第92回薬剤師国家試験 問9a 解答解説

 

アルデヒド・ケトンとアルコールの反応では、主生成物はウのacetalとなる。

 

酸触媒下、アルデヒド・ケトンに対してアルコール(ROH)を反応させると、2分子のアルコールが求核付加したアセタールが生成する。
アセタールとは、1つの炭素に2つのエーテル結合(―OR)が存在する構造を指す。

 

アルデヒド,ケトンとメタノールCH3OHとの反応でアセタール 92回問9a

 

反応の流れは下記の通り。
まず、酸触媒下、アルデヒド・ケトンに対して、アルコールが1つ求核付加してヘミアセタールを生成する。
ヘミアセタールとは、1つの炭素に1つのエーテル結合(―OR)と1つのヒドロキシ基(−OH)が存在する構造を指す。

 

アルデヒド,ケトンとメタノールCH3OHとの反応でアセタール 92回問9a

 

ここで、酸触媒存在下で過剰のアルコールが存在する場合、反応はさらに進み、ヒドロキシ基が酸触媒でプロトン化されて脱離し、その後、アルコールが付加し、最終的にアセタールが生成する。

 

アルデヒド,ケトンとメタノールCH3OHとの反応でアセタール 92回問9a

 

 アルコールは電気的に中性なため求核性が弱く、pHが中性付近ではアルデヒド・ケトンとの反応が起こりにくい。しかし、アルデヒド・ケトンが酸触媒によりカルボニルの酸素がプロトン化され、カルボニル炭素の正の分極度合い(Cδ+)が強まって求核試薬との反応性が高まると、アルコールの求核付加反応が促進される。

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