薬剤師国家試験過去問題集 製剤の種類と特性

日本薬局方製剤総則 88回薬剤師国家試験問172

88回薬剤師国家試験 問172
日本薬局方製剤総則に関する記述のうち、正しいものはどれか。
a 液剤は、液状の内用製剤又は外用製剤で、製剤総則中の他の製剤各条に該当しないものをいう。
b トローチ剤は、通例、医薬品を一定の形状に製したもので、口中で徐々に溶解又は崩壊させて、口腔、咽頭などに適用する製剤で、崩壊試験法が適用される。
c 眼軟膏剤は、結膜嚢に適用する無菌に製した軟膏剤であり、本剤に含まれる医薬品粒子の大きさは、通例、150μm以下である。
d 坐剤は、通例、医薬品を基剤により一定の形状に成型したもので、肛門又は膣に適用する固形の外用剤である。
e エリキシル剤は、通例、揮発性医薬品をエタノール又はエタノールと水の混液で溶かした液状の製剤である。

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88回薬剤師国家試験 問172 解答解説

 

◆ aについて
a 〇 液剤は、液状の内用製剤又は外用製剤で、製剤総則中の他の製剤各条に該当しないものをいう。

 

◆ bについて
b × トローチ剤は、通例、医薬品を一定の形状に製したもので、口中で徐々に溶解又は崩壊させて、口腔、咽頭などに適用する製剤で、崩壊試験法が適用される。

 

トローチ剤は,口腔内で徐々に溶解又は崩壊させ,口腔,咽頭などの局所に適用する口腔用錠剤である。
崩壊試験法が適用されるのは経口投与して消化管から吸収される製剤の一部であるので、
トローチ剤に崩壊試験は適用されない。

 

なお、日本薬局方の崩壊試験の規定は下記の通り。
「崩壊試験法は,錠剤,カプセル剤,顆粒剤,シロップ用剤,丸剤が試験液中,定められた条件で規定時間内に崩壊するかどうかを確認する試験法である.崩壊試験法は,製剤中の有効成分が完全に溶解するかどうかを確認することを目的としていない」

 

詳細は下記のリンク先を参照
トローチは溶出試験法や崩壊試験に適合? 93回問173d

 

 

◆ cについて
c × 眼軟膏剤は、結膜嚢に適用する無菌に製した軟膏剤であり、本剤に含まれる医薬品粒子の大きさは、通例、150μm以下である。

 

眼軟膏剤は,結膜嚢などの眼組織に適用する半固形の無菌製剤であり、
本剤中の粒子の最大粒子径は,通例,75μm以下である。
懸濁性点眼剤の粒子の最大粒子径も75μm以下と規定されている。

 

なお、粒子の大きさが150μm以下と規定されているのは、
懸濁性注射剤である。

 

関連問題
懸濁性注射剤と乳濁性注射剤の粒子径と適用 97回問177の4,5

 

 

◆ dについて
d 〇 坐剤は、通例、医薬品を基剤により一定の形状に成型したもので、肛門又は膣に適用する固形の外用剤である。

 

◆ eについて
e × エリキシル剤は、通例、揮発性医薬品をエタノール又はエタノールと水の混液で溶かした液状の製剤である。

 

エリキシル剤とは,甘味及び芳香のあるエタノールを含む澄明な液状の経口液剤である。

 

なお、eの記述中の「揮発性医薬品をエタノール又はエタノールと水の混液で溶かした液状の製剤」は、
酒精剤である。

 

関連問題
エリキシル,リモナーデ,リニメントとは 104回問52

 

経口投与する液状又は流動性のある粘稠なゲル状の製剤は? 107回問51

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