生体内における一酸化窒素の生成 第105回薬剤師国家試験問105

第105回薬剤師国家試験 問105
一酸化窒素及び生体内における一酸化窒素の生成に関する記述の正誤を判定してみよう。

 

生体内における一酸化窒素の生成 第105回薬剤師国家試験問105

 

1 アミノ酸AはL-グルタミンである。
2 一酸化窒素は2つの不対電子をもち、常磁性を示す。
3 一酸化窒素の窒素原子の酸化数は+1である。
4 一酸化窒素の酸素原子は酸素分子(O2)由来である。
5 化合物BはL-オルニチンである。

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第105回薬剤師国家試験 問105 解答解説

 

生体内における一酸化窒素の生成 第105回薬剤師国家試験問105

 

◆ 1,4,5について

 

1 × アミノ酸AはL-グルタミンである。
→ ○ アミノ酸AはL-アルギニンである。

 

4 ○ 一酸化窒素の酸素原子は酸素分子(O2)由来である。

 

5 × 化合物BはL-オルニチンである。
→ ○ 化合物BはL-シトルリンである。

 

生体内における一酸化窒素の生成 第105回薬剤師国家試験問105

 

一酸化窒素合成酵素(nitric oxide synthase:NOS)は、L-アルギニンを酸化してN-ヒドロキシL-アルギニンとし、さらにこれを酸化してNOとL-シトルリンを生成する。
一酸化窒素合成酵素はヘムタンパク質であり、補酵素として、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸(NADPH)、フラビンアデニンジヌクレオチド(FAD)、フラビンモノヌクレオチド(FMN)、テトラヒドロビオプテリン(BH4)がある。

 

なお、オルニチンは、肝臓の尿素回路において、アルギナーゼの触媒によりL-アルギニンが加水分解される際に尿素と共に生成するアミノ酸である。

 

生体内における一酸化窒素の生成 第105回薬剤師国家試験問105

 

 

◆ 2について
2 × 一酸化窒素は2つの不対電子をもち、常磁性を示す。
→ ○ 一酸化窒素は1つの不対電子をもち、常磁性を示す。

 

詳細は下記のリンク先を参照
105回問105の2

 

 

◆ 3について
3 × 一酸化窒素の窒素原子の酸化数は+1である。
→ ○ 一酸化窒素の窒素原子の酸化数は+2である。

 

NOの窒素原子の酸化数をXとおいて計算してみる。

 

X+1×(−2) = 0 
これより、X=+2となる。

 

★参考外部サイトリンク
酸化数(化学のグルメさん)

 

 

★他サイトさんの解説へのリンク
第105回問105(e-RECさん)

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