ジメチルエーテルの標準燃焼エンタルピー 96回薬剤師国家試験問18

96回薬剤師国家試験 問18
ジメチルエーテルを完全に燃焼させたときの標準燃焼エンタルピー(kJ・mol−1)に最も近い数値はどれか。ただし、生成する水は気体とし、CH3OCH3(気体)、CO2(気体)、H2O(気体)の標準生成エンタルピーは、それぞれ −184、−394、−242 kJ・mol−1 である。

 

1 1,330
2 −1,330
3 665
4 −665
5 452
6 −452

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96回薬剤師国家試験 問18 解答解説
正解は2の−1,330である。

 

化合物の標準生成エンタルピー(冉 H゜)とは、
標準状態下、最も安定な単体から化合物1molを生成する反応のエンタルピー変化である。

 

ある反応の標準反応エンタルピー(决 H゜)は、
反応物と生成物の標準生成エンタルピー(冉 H゜)を用いて、
ヘスの法則より次のように計算できる。

 

標準反応エンタルピー =
(各生成物の係数×標準生成エンタルピーの合計)−(各反応物の係数×標準生成エンタルピーの合計)

 

本問では、気体のジメチルエーテル(CH3OCH3)の燃焼反応の標準燃焼エンタルピー(kJ/mol)を求める。
ジメチルエーテルの燃焼反応の化学反応式は下記の通り。

 

96回薬剤師国家試験問18 ジメチルエーテルの標準燃焼エンタルピー

 

この反応の標準反応エンタルピー(决 H゜)は次のように計算できる。
なお、最も安定な単体の標準生成エンタルピーは0であるので、
O2(気体)の標準生成エンタルピーは0である。

 

96回薬剤師国家試験問18 ジメチルエーテルの標準燃焼エンタルピー

 

なお、求めた反応エンタルピーの符号が負(−)であることについて、
燃焼反応は発熱反応であり、反応の進行により系のエネルギーが減少することを意味する。
エンタルピーについては下記のリンク先を参照
エンタルピーとは 定義,変化量の意味

 

ヘスの法則については下記のリンク先を参照
ヘスの法則 89回問18de

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