オキシドール,チオ硫酸ナトリウム等 薬剤師国家試験87回問3

第87回薬剤師国家試験 問3
代表的な無機化合物に関する記述の正誤を判定してみよう。

 

1.殺菌薬として用いられるオキシドールは,酸化作用と還元作用をもっている。

 

2.チオ硫酸ナトリウムは,その酸化作用により解毒薬として用いられる。

 

3.殺菌・消毒薬として用いられるサラシ粉の次亜塩素酸イオンにおける塩素原子の酸化数は,+1である。

 

4.亜酸化窒素は,空気より軽い無色のガスで,吸入麻酔薬として用いられる。

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第87回薬剤師国家試験 問3

 

◆ 1について
1.〇 殺菌薬として用いられるオキシドールは,酸化作用と還元作用をもっている。

 

オキシドールは過酸化水素(H2O2)の2.5〜3.5w/v%の水溶液であり、消毒薬として用いられる。
過酸化水素(H2O2)は相手を酸化する酸化剤にもなるし、相手を還元する還元剤にもなる。

 

★参考外部サイトリンク
過酸化水素(wikipediaさん)

 

 

◆ 2について
2.× チオ硫酸ナトリウムは,その酸化作用により解毒薬として用いられる。
→ 〇 チオ硫酸ナトリウム(Na2S2O3)は,その還元作用により解毒薬として用いられる。

 

チオ硫酸ナトリウム(Na2S2O3)は還元作用を示す。
チオ硫酸ナトリウムはシアン化合物(青酸化合物)の解毒薬として用いられる。

 

★参考外部サイトリンク
チオ硫酸ナトリウム(wikipediaさん)

 

 

◆ 3について
3.〇 殺菌・消毒薬として用いられるサラシ粉の次亜塩素酸イオンにおける塩素原子の酸化数は,+1である。

 

サラシ粉とは次亜塩素酸カルシウム(CaCl(ClO)・H2OまたはCa(ClO)2)である。
次亜塩素酸イオンはClO−である。
Clの酸化数をxとおいて計算式を立てると、
1×x+1×(−2)= −1
これを解くと、x=+1 である。

 

★参考外部サイトリンク
次亜塩素酸カルシウム(wikipediaさん)

 

 

◆ 4について
4.× 亜酸化窒素は,空気より軽い無色のガスで,吸入麻酔薬として用いられる。
→ 〇 亜酸化窒素(N2O)は,空気より重い無色のガスで,吸入麻酔薬として用いられる。

 

亜酸化窒素(N2O)の分子量は44で、空気の仮想分子量は28.8なので、
亜酸化窒素(N2O)は空気より重い。

 

★参考外部サイトリンク
亜酸化窒素(wikipediaさん)

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