薬物と関連金属 無機化学 薬剤師国家試験96回問3

第96回薬剤国家試験 問3
薬物と関連金属に関する記述の正誤を判定してみよう。

 

1.シスプラチンの白金には、炭素原子が結合している。

 

2.ペニシラミンは、金属錯体を形成して金属塩中毒の解毒薬として機能する。  

 

3.ビタミンB12の中心金属は、銅である。

 

4.ブレオマイシンの抗腫瘍活性発現には、鉄が関与する。

 

5.消化性潰瘍治療薬のスクラルファートには亜鉛が含まれる。

 

6.消化性潰瘍治療薬のポラプレジンクにはアルミニウムが含まれる。

 

7.抗リウマチ薬のオーラノフィンには金が含まれる。

 

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第96回薬剤国家試験 問3 解答解説
1.× シスプラチンの白金には、炭素原子が結合している。
→ 〇 シスプラチンの白金には、塩素原子と窒素原子が結合している。

 

シスプラチンはPtに2つのCl:−と2つの:NH3が配位結合している生成する錯体である。

 

★参考外部サイトリンク
シスプラチン(wikipediaさん)

 

 

2.〇 ペニシラミンは、金属錯体を形成して金属塩中毒の解毒薬として機能する。

 

D-ペニシラミン(商品名メタルカプターゼ)は構造中にSH,NH2,COOHを有し、これらが配位子となって金属とキレートを形成するので、金属中毒の際の解毒剤として用いられる。
また、D-ペニシラミンは関節リウマチの治療薬としても用いられる。

 

★参考外部サイトリンク
ペニシラミン(wikipediaさん)

 

 

3.× ビタミンB12の中心金属は、銅である。
→ 〇 ビタミンB12の中心金属は、コバルト(Co)である。

 

ビタミンB12はコバルトを含むのでコバラミンと呼ばれる。

 

★参考外部サイトリンク
コバラミン(wikipediaさん)

 

 

4.〇 ブレオマイシンの抗腫瘍活性発現には、鉄が関与する。
ブレオマイシンは、鉄イオンと錯体を形成し、さらにブレオマイシン鉄錯体がO2またはH2O2と反応することで活性体となり、これがDNAの1本鎖または2本鎖を切断することで抗腫瘍効果を発現する。

 

★参考外部サイトリンク
ブレオマイシン(Chem-Stationさん)

 

 

5.× 消化性潰瘍治療薬のスクラルファートには亜鉛が含まれる。
→ 〇 消化性潰瘍治療薬のスクラルファートにはアルミニウムが含まれる。

 

消化性潰瘍治療薬のアルジオキサにもアルミニウムが含まれる。

 

★参考外部サイトリンク
スクラルファート(wikipediaさん)

 

アルジオキサ(エスエス製薬さん)

 

 

6.× 消化性潰瘍治療薬のポラプレジンクにはアルミニウムが含まれる。
→ 〇 消化性潰瘍治療薬のポラプレジンクには亜鉛が含まれる。

 

亜鉛(Zn)は英語でzinc(ジンク)である。
ポラプレジンク(商品名プロマック)は潰瘍部位に付着して被覆し,直接保護して治癒促進効果を示す。
下記がポラプレジンクの構造式である。
96回薬剤師国家試験問3 薬物と関連金属に関する記述

 

 

7.〇 抗リウマチ薬のオーラノフィンには金が含まれる。

 

★参考外部サイトリンク
オーラノフィン(Chem-Stationさん)

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