薬剤師国家試験過去問題集 製剤化・製剤機械

圧縮成形(打錠)に関する記述 85回薬剤師国家試験問175

85回薬剤師国家試験 問175
圧縮成形(打錠)に関する記述のうち、正しいものはどれか。
1 ロータリー打錠機は、通常、ターンテーブルが1回転すると1個の錠剤ができる構造になっている。
2 単発打錠機の臼に粉体を充てんし、上杵を下降させて製錠するとき、上杵と下杵にかかる応力を同時に測定し比較すると、通常、下杵にかかる応力の方が大きい。
3 圧縮成形のために添加される滑沢剤は、粉体の流動性、圧縮成形性を向上させる働きがある。
4 打錠用顆粒への滑沢剤の添加は、通常、造粒中に行う。
5 打錠時に錠剤表面の一部が杵表面に付着する現象をキャッピングという。

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85回薬剤師国家試験 問175 解答解説

 

◆ 1について
1 × ロータリー打錠機は、通常、ターンテーブルが1回転すると1個の錠剤ができる構造になっている。
→ 〇 ロータリー打錠機は、通常、ターンテーブルが1回転すると複数個の錠剤ができる構造になっている。

 

ロータリー型錠剤機は、複数組の上下杵と連動するように、
ターンテーブルの外周部に複数の臼が等間隔に配置されており、
ターンテーブルが1回転するごとに、充てん,圧縮,抜圧,排出の一連の操作が連続的に行われて複数個の錠剤が打錠されて出てくるため、製錠速度が速く、大量生産に適している。

 

なお、エキセントリック型錠剤機(単発型打錠機)は、
1台につき1組の臼と上下杵しかなく、
1錠ずつ打錠されるため、製錠速度が遅く、大量生産には向かない。

 

関連問題
ロータリー型打錠機とエキセントリック型打錠機の違い 88回問173a

 

ロータリー型打錠機、エキセントリック型打錠機の錠剤の質量調整 95回問177a

 

 

◆ 2について
2 × 単発打錠機の臼に粉体を充てんし、上杵を下降させて製錠するとき、上杵と下杵にかかる応力を同時に測定し比較すると、通常、下杵にかかる応力の方が大きい。
→ 〇 単発打錠機の臼に粉体を充てんし、上杵を下降させて製錠するとき、上杵と下杵にかかる応力を同時に測定し比較すると、通常、上杵にかかる応力の方が大きい。

 

 

◆ 3について
3 〇 圧縮成形のために添加される滑沢剤は、粉体の流動性、圧縮成形性を向上させる働きがある。

 

滑沢剤は、適量を添加することにより、粉体の流動性を改善し、臼や杵に対する付着防止・摩擦軽減、充填性の改善、圧縮成形性の向上などの効果がある。
ただし、滑沢剤には撥水作用があるため、添加量が多すぎると、吸水性低下による崩壊時間の延長や、粒子間結合力低下による錠剤硬度の低下で、キャッピング・ラミネーションを引き起こす。

 

関連問題
滑沢剤の過剰・不足と打錠障害 105回問181の3

 

滑沢剤の添加量が多すぎると錠剤硬度が低下 90回問176d

 

 

◆ 4について
4 × 打錠用顆粒への滑沢剤の添加は、通常、造粒中に行う。
→ 〇 打錠用顆粒への滑沢剤の添加は、通常、造粒が終わった後に行う。

 

直接打錠法でも顆粒圧縮法でも、
打錠して圧縮成形する方法は滑沢剤を添加する必要があり、
滑沢剤を添加するタイミングは打錠の直前である。
顆粒圧縮法では、造粒工程が終わって打錠用顆粒が出来上がった後、
打錠する直前に滑沢剤を添加する。

 

 

◆ 5について
5 × 打錠時に錠剤表面の一部が杵表面に付着する現象をキャッピングという。

 

85回薬剤師国家試験問175 圧縮成形(打錠)に関する記述

 

4の図のように杵に錠剤表面が付着することにより、錠剤が少し欠けることをピッキングと呼ぶ。
5の図のように杵に錠剤表面が付着することにより、錠剤がえぐれたように欠けることをスティッキングと呼ぶ。

 

なお、キャッピングとは、下図のように錠剤の上部が帽子状に薄く割れる現象のことである。

 

85回薬剤師国家試験問175 圧縮成形(打錠)に関する記述

 

 

各打錠障害については下記のリンク先を参照
各種の打錠障害とその原因 93回問175

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