薬剤師国家試験過去問題集 製剤化・製剤機械

錠剤の製造に関する記述 90回薬剤師国家試験問176

90回薬剤師国家試験 問176
錠剤の製造に関する記述のうち、正しいものはどれか。
a 顆粒圧縮法は直接粉末圧縮法に比較して、製造工程を短縮できる利点がある。
b アスピリン錠は、一般に湿式顆粒圧縮法により製造される。
c キャッピングの発生原因として、結合剤の不足があげられる。
d 滑沢剤の添加量が多すぎると、錠剤硬度が低下する。

トップページへ

 

薬剤師国家試験過去問題 科目別まとめ一覧 へ

 

薬剤師国家試験過去問題 製剤化・製剤機械 一覧へ

 

 

90回薬剤師国家試験 問176 解答解説

 

◆ aについて
a × 顆粒圧縮法は直接粉末圧縮法に比較して、製造工程を短縮できる利点がある。
→ 〇 直接粉末圧縮法は顆粒圧縮法(間接圧縮法)に比較して、製造工程を短縮できる利点がある。

 

顆粒圧縮法(間接圧縮法)は、打錠する前に原料粉末を一旦顆粒に製するため、
原料粉末を直接打錠する直接粉末圧縮法の方が製造工程は短い。

 

 

◆ bについて
b × アスピリン錠は、一般に湿式顆粒圧縮法により製造される。

 

湿式顆粒圧縮法は、水を使用し、かつ、熱で乾燥する工程が入るので、水や熱に不安定な医薬品には適さない。
アスピリンは加水分解されるため、湿式顆粒圧縮法では製造されない。

 

 

◆ cについて
c 〇 キャッピングの発生原因として、結合剤の不足があげられる。

 

詳細は下記のリンク先を参照
キャッピング・ラミネーションの原因 96回問173c

 

 

◆ dについて
d 〇 滑沢剤の添加量が多すぎると、錠剤硬度が低下する。

 

滑沢剤は、適量を添加することにより、粉体の流動性を改善し、臼や杵に対する付着防止・摩擦軽減、充填性の改善、圧縮成形性の向上などの効果がある。
ただし、滑沢剤には撥水作用があるため、添加量が多すぎると、吸水性低下による崩壊時間の延長や、粒子間結合力低下による錠剤硬度の低下で、キャッピング・ラミネーションを引き起こす。

 

関連問題
滑沢剤の過剰・不足と打錠障害 105回問181の3

トップへ戻る