薬剤師国家試験過去問題集 製剤化・製剤機械

88回薬剤師国家試験問173 製剤機器に関する記述

88回薬剤師国家試験 問173
製剤機器に関する記述のうち、正しいものはどれか。
a ロータリー型錠剤機は、ターンテーブルが1回転するごとに、充てん、圧縮、抜圧、排出の操作を外周部の別々の個所で行うため、エキセントリック型錠剤機よりも製錠速度が遅い。
b V型混合機では、混合時間を長くするほど粉体の良い混合状態が得られる。
c 転動造粒装置は、転動している粉体に結合剤溶液を噴霧するもので、球形に近い粒子が得られる。
d ジェットミルは、気体の流体エネルギーによって粉砕を行うもので、主として粒子間の高速衝突によって粉砕が促進される。

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88回薬剤師国家試験 問173 解答解説

 

◆ aについて
a × ロータリー型錠剤機は、ターンテーブルが1回転するごとに、充てん、圧縮、抜圧、排出の操作を外周部の別々の個所で行うため、エキセントリック型錠剤機よりも製錠速度が遅い。

 

ロータリー型錠剤機は、エキセントリック型錠剤機(単発型打錠機)よりも製錠速度が速い。

 

ロータリー型錠剤機は、複数組の上下杵と連動するように、
ターンテーブルの外周部に複数の臼が等間隔に配置されており、
ターンテーブルが1回転するごとに、充てん,圧縮,抜圧,排出の一連の操作が連続的に行われて複数個の錠剤が打錠されて出てくるため、製錠速度が速く、大量生産に適している。

 

エキセントリック型錠剤機(単発型打錠機)は、
1台につき1組の臼と上下杵しかなく、
1錠ずつ打錠されるため、製錠速度が遅く、大量生産には向かない。

 

関連問題
ロータリー打錠機はターンテーブル1回転で複数個の錠剤が製造 85回問175の1

 

ロータリー型打錠機、エキセントリック型打錠機の錠剤の質量調整 95回問177a

 

 

◆ bについて
b × V型混合機では、混合時間を長くするほど粉体の良い混合状態が得られる。

 

混合時間が長すぎると、
混合物が分離してしまい、混合状態が悪化する場合がある。

 

 

◆ cについて
c 〇 転動造粒装置は、転動している粉体に結合剤溶液を噴霧するもので、球形に近い粒子が得られる。

 

転動造粒は、医薬品粉末を転動させながら、結合剤溶液を噴霧し、
粒子を大きくしていく造粒法である。
転動造粒では雪だるま式に粒子が大きくなるので、球形に近い粒子が得られる。

 

関連問題
転動層造粒とは 83回問174b

 

 

◆ dについて
d 〇 ジェットミルは、気体の流体エネルギーによって粉砕を行うもので、主として粒子間の高速衝突によって粉砕が促進される。

 

ジェットミルは、噴出する圧縮空気の気流により粒子を加速させて、粒子どうしあるいは粒子と容器壁との衝突により粒子を微細化する粉砕機である。
ジェットミルは、圧縮空気の膨張に伴い吸熱が起こり(ジュール・トムソン効果)、粉砕時の温度上昇が抑えられるので、熱に不安定な薬物や低融点化合物の粉砕にも用いられる。

 

88回薬剤師国家試験問173 製剤機器に関する記述

 

関連問題
噴出する圧縮空気の気流により粒子を微細化する粉砕機 101回問52

 

ジェットミルは熱に不安定な化合物や低融点化合物の粉砕に適している 106回問182の1

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