直鎖アルカンと枝分かれアルカンの沸点 92回薬剤師国家試験問16b

第92回薬剤師国家試験 問16b
次の沸点に関する記述の正誤を判定してみよう。

 

b CH3(CH2)3CH3が異性体の(CH3)4Cよりも沸点が高いのは、ファンデルワールス力に起因する。

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92回薬剤師国家試験 問16b 解答解説

 

b 〇 CH3(CH2)3CH3が異性体の(CH3)4Cよりも沸点が高いのは、ファンデルワールス力に起因する。

 

分子間相互作用による引力が強いほど、沸点や融点が高くなる。
アルカンのような無極性分子間においても、分散力というファンデルワールス引力が働く。
分子間相互作用は、分子同士の接触面積が広いほど大きくなる。
構造が直鎖状の場合、分子同士が重なり合いやすく接触面積が大きいので、分子間のファンデルワールス力が相対的に強くなる。
構造が枝分かれする場合、分子同士が重なりにくく接触面積が小さいので、分子間のファンデルワールス力が相対的に弱くなる。
よって、直鎖状のCH3(CH2)3CH3 (ペンタン)は、分枝状の(CH3)4C(2,2−ジメチルプロパン)よりも分散力が強く働くため、沸点が高い。

 

直鎖アルカンと枝分かれアルカンの構造異性体の沸点 薬学92回問16b

 

なお、常温常圧での沸点は、
ペンタンが約36℃、
2,2−ジメチルプロパンが約10℃である。

 

関連問題
・分散力とは 105回問98の1

 

・n-ヘキサンの沸点がメタンの沸点よりも高い理由 103回問91の3

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