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標的細胞表面の抗原タンパク質に結合し抗腫瘍効果を示す薬物 105回薬剤師国家試験問55

105回薬剤師国家試験 問55
遺伝子組換え医薬品のうち、標的細胞表面に発現している抗原タンパク質を認識して結合し、抗腫瘍効果を示すのはどれか。1つ選びなさい。
1 アルテプラーゼ
2 エポエチン アルファ
3 グルカゴン
4 ニボルマブ
5 ペグビソマント

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105回薬剤師国家試験 問55 解答解説

 

標的細胞表面に発現している抗原タンパク質を認識して結合し、抗腫瘍効果を示すのは、4のニボルマブである。

 

ニボルマブはヒトPD-1に対する遺伝子組換えヒトIgG4モノクローナル抗体である。
PD-1は、リンパ球や骨髄系細胞の表面に発現するCD28 ファミリーに属する受容体であり、
PD-1にPD-1リガンド(PD-L1,PD-L2)が結合すると、リンパ球に抑制性のシグナルが伝達され、免疫が抑制される。腫瘍細胞は細胞表面にPD-1リガンドを発現し、PD-1/PD-1リガンド経路により免疫系からの攻撃を回避している。
ニボルマブはPD-1に対する抗体であり、PD-1とPD-1リガンドとの結合を阻害し、PD-1/PD-1 リガンド経路による免疫抑制機構をオフにし、免疫系によるがん細胞への攻撃を増強させ、抗腫瘍効果を発揮する。
なお、PD-1/PD-1リガンド経路やCTLA4経路などの免疫を抑制する機構を免疫チェックポイントと呼び、
免疫チェックポイントに関与する分子の働きを阻害する薬物を免疫チェックポイント阻害薬と呼ぶ。
よって、PD-1/PD-1リガンド経路ニボルマブは免疫チェックポイント阻害薬に分類される。

 

以下、他の選択肢について

 

1のアルテプラーゼは、組織プラスミノーゲンアクチベーター(t-PA)製剤であり、
血栓上でプラスミノーゲンをプラスミンに転化させ、これがフィブリンを分解し、血栓を溶解する。

 

2のエポエチン アルファは、ヒト エリスロポエチン製剤であり、
赤血球系前駆細胞のエリスロポエチン受容体に結合し、赤血球への分化・増殖を促し、貧血を改善する。

 

5のペグビソマントは、成長ホルモン(GH)受容体拮抗剤であり、GH受容体に結合し、
GHの結合を阻害することによってGHの作用を抑制する。
ペグビソマントは、先端巨大症におけるインスリン様成長因子-1(IGF-T:別名ソマトメジン-C)分泌過剰状態および諸症状の改善の適応がある。

 

 

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105回問55(e-RECさん)

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