リポソームとは 98回薬剤師国家試験問180
98回薬剤師国家試験 問180
リポソームに関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選びなさい。
1 大豆油とレシチンで調製される閉鎖小胞であり、静脈内投与後、炎症部位へ選択的に移行する薬物運搬体として利用される。
2 脂質二重膜からなる閉鎖小胞であり、水溶性及び脂溶性いずれの薬物も含有することができる。
3 通例、直径数μm 〜 数百μmの大きさで、薬物を芯物質としてこれを高分子物質で被覆したものであり、薬物の安定化や放出制御に利用される。
4 ポリエチレングリコールで表面を修飾することで、血中滞留性が向上する。
98回薬剤師国家試験 問180 解答解説
リポソームに関する記述のうち、正しいのは、
選択肢2と4である。
2 〇 脂質二重膜からなる閉鎖小胞であり、水溶性及び脂溶性いずれの薬物も含有することができる。
4 〇 ポリエチレングリコールで表面を修飾することで、血中滞留性が向上する。
リポソームとは、脂質二分子膜からなる閉鎖小胞であり、脂質膜には脂溶性薬物を含むことができ、中の水相には水溶性薬物を含むことができる担体である。
リポソームの表面をポリエチレングリコール(PEG)で修飾すると、親水性が高まり、抗原性が低下して細網内皮系免疫細胞による認識と貪食が抑制され、粒子サイズの拡大により腎排泄は抑制されるので、血中滞留性が向上する。
血中滞留性の高いポリエチレングリコール修飾リポソームは、
受動的ターゲティングを目的とする製剤に用いられる。
以下、他の選択肢について
1の「大豆油とレシチンで調製される閉鎖小胞であり、静脈内投与後、炎症部位へ選択的に移行する薬物運搬体として利用される」のは、リピッドマイクロスフェアである。
関連問題
リピッドマイクロスフェア製剤について 102回問280,281
3の「通例、直径数μm 〜 数百μmの大きさで、薬物を芯物質としてこれを高分子物質で被覆したものであり、薬物の安定化や放出制御に利用される」のは、マイクロカプセルである。
関連問題
マイクロカプセルとは 88回問178d
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