反応速度の温度依存性と活性化エネルギー 87回薬剤師国家試験問166a
87回薬剤師国家試験 問166a
医薬品の安定性に関する記述の正誤を判定してみよう。
a 反応速度は,絶対温度の上昇とともに増加し,また活性化エネルギーが大きくなるほど速度定数の温度依存性は減少する。
87回薬剤師国家試験 問166a 解答解説
◆ aについて
a × 反応速度は,絶対温度の上昇とともに増加し,また活性化エネルギーが大きくなるほど速度定数の温度依存性は減少する。
→ 〇 反応速度は,絶対温度の上昇とともに増加し,また活性化エネルギーが大きくなるほど速度定数の温度依存性は増大する。
反応速度定数kと温度との関係を示す
アレニウス式について、
いくつかの温度で反応速度定数(k)を測定し、
絶対温度の逆数(1/T)に対して反応速度定数の自然対数(lnk)をプロットすると直線が得られる。
これをアレニウスプロットと呼ぶ。
下の図は、活性化エネルギーの大きい反応(Ea大)と活性化エネルギーの小さい反応(Ea小)のアレニウスプロットの例である。
上図によると、絶対温度が高いほど反応速度定数kの値は大きくなっている。
また、活性化エネルギーEaが大きいほどアレニウスプロットの直線の傾きは大きくなっている。
これより、活性化エネルギーが大きくなるほど速度定数の温度依存性は増大するといえる。