SI組立(誘導)単位 89回薬剤師国家試験問15

89回薬剤師国家試験 問15
国際単位系(SI)に関する記述の正誤について、正しいものはどれか。

 

a 国際単位系SIは基本単位と誘導(組立)単位で構成されている。
b 力のSI誘導(組立)単位はニュートンNである。SI基本単位を用いるとkg・m・s−2で表せる。
c 圧力のSI誘導(組立)単位はパスカルPa(N・m−2)であり、1バールbarは106Paである。
d エネルギー、仕事、熱量のSI誘導(組立)単位はジュール J(N・m)である。
e 電気量、電荷のSI誘導(組立)単位はクーロンCである。電圧、電位のSI誘導(組立)単位はボルトV(J・C−1)である。

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89回薬剤師国家試験 問15 解答解説

 

a 〇 国際単位系SIは基本単位と誘導(組立)単位で構成されている。

 

b 〇 力のSI誘導(組立)単位はニュートンNである。SI基本単位を用いるとkg・m・s−2で表せる。

 

c × 圧力のSI誘導(組立)単位はパスカルPa(N・m−2)であり、1バールbarは106Paである。
→ 〇 圧力のSI誘導(組立)単位はパスカルPa(N・m−2)であり、1バールbarは105Paである。
なお、barは非SI単位である。

 

d 〇 エネルギー、仕事、熱量のSI誘導(組立)単位はジュール J(N・m)である。

 

e 〇 電気量、電荷のSI誘導(組立)単位はクーロンCである。電圧、電位のSI誘導(組立)単位はボルトV(J・C−1)である。

 

 

SI基本単位については下記のリンク先を参照
SI基本単位 100回問1

 

下の表はSI組立(誘導)単位の例である。
なお、※のついた物理量は表の下に捕捉説明がある。

 

国際単位系(SI)に関する記述 89回薬剤師国家試験問15

 

※1 力について
1Nは1kgの物体に1m/s−2の加速度を与える力である。
Nの単位は、
F(力) = m(質量) × a(加速度)
という力の関係式に由来する。
国際単位系(SI)に関する記述 89回薬剤師国家試験問15

 

※2 圧力について
圧力は単位面積当たりにかかる力で表され、
1Paは1m2当たりに1Nの力がかかることを示す。

 

国際単位系(SI)に関する記述 89回薬剤師国家試験問15

 

 

※3 エネルギー・仕事・熱について
1Jは物体を1Nの力で1m動かす仕事(エネルギー)に相当する。
国際単位系(SI)に関する記述 89回薬剤師国家試験問15

 

※4 仕事率について
仕事率は単位時間当たりの仕事である。
1Wは1秒当たり1Jの仕事をすることを示す。

 

国際単位系(SI)に関する記述 89回薬剤師国家試験問15

 

※5 電荷・電気量について
1Cは1Aの電流が1秒間流れた時に運ばれる電気量である。
1C = 1A・1s = 1A・s

 

※6 電力量について
1Jの電力量は、1Cの電荷を電位差1V分動かす仕事に相当する。
1 J = 1C・1V = 1C・V
また、上式より、
電圧(電位差)の単位Vについて下記が成り立つ。
1V = 1 J・C−1

 

※7 電力について
電力とは単位時間当たりに電流がする仕事であり、
次式が成り立つ。
1W = 1V・1A = 1J/s
また、上式より、
電圧(電位差)の単位Vについて下記が成り立つ。
1V = 1W・A−1

 

※8 周波数について
1Hz は 1秒間に1回の周波数・振動数と定義され、
1Hz = 1s−1 で表される。

 

※9 粘度
日本薬局方では、
通例、粘度の単位としてミリPa・s(m Pa・s)が用いられる。
粘度を同じ温度での体積で割った値を動粘度と呼ぶ。

 

国際単位系(SI)に関する記述 89回薬剤師国家試験問15

 

なお、日本薬局方では、通例、
動粘度の単位としてミリm2・s−1 (m m2・s−1)が用いられる。

 

関連問題
粘度の単位 88回問16b

 

動粘度の単位 93回問172c

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