各種の打錠障害とその原因 93回薬剤師国家試験問175
93回薬剤師国家試験 問175
〔 I 〕欄に打錠の際に発生する障害の種類、〔 II 〕欄に障害の状態、〔 III 〕欄に障害が発生する原因の一つが記述してある。正しい組合せはどれか。
93回薬剤師国家試験 問175 解答解説
正解は3である。
3の図のように錠剤の側面に縦筋の傷がつくことをバインディングと呼ぶ。
バインディングは臼と錠剤との間の摩擦が大きいことから生じ、顆粒の乾燥不足,結合剤の過量,滑沢剤の不足,圧縮圧の不足などが原因である。
以下、他の選択肢についての解説
◆ 1,2について
1の図のように錠剤が真ん中の辺りで割れて剥離することをラミネーションと呼ぶ。
2の図のように錠剤の上部が帽子状に薄く割れることをキャッピングという。
キャッピング・ラミネーションといった錠剤が上下に割れる打錠障害の発生原因として、顆粒の過度な乾燥,結合剤の不足,滑沢剤の過量,圧縮速度や圧縮圧が過大であること,医薬品混合物中に微粒子が多く含まれることなどが挙げられる。
◆ 4,5について
4の図のように杵に錠剤が付着することにより、錠剤が少し欠けることをピッキングと呼ぶ。
5の図のように杵に錠剤が付着することより、錠剤がえぐれたように欠けることをスティッキングと呼ぶ。
ピッキングやスティッキングの原因は、バインディングと同様に、顆粒の乾燥不足,結合剤の過量,滑沢剤の不足,圧縮圧の不足などである。