薬剤師国家試験過去問題集 製剤化・製剤機械

錠剤及びトローチ剤の製造 96回薬剤師国家試験問173

96回薬剤師国家試験 問173
錠剤及びトローチ剤の製造に関する記述のうち、正しいものはどれか。

 

a スラッギングは、湿式顆粒圧縮法で用いられる。

 

b トローチ剤の製造では、崩壊剤は用いない。

 

c 打錠障害であるキャッピングやラミネーションは、結合剤の過剰な添加や滑沢剤の不足などが発生の原因とされる。

 

d 口腔内崩壊錠の製法のひとつに、圧縮成型を行わない湿製法がある。

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96回薬剤師国家試験 問173 解答解説

 

◆ aについて
a × スラッギングは、湿式顆粒圧縮法で用いられる。
→ 〇 スラッギングは、乾式顆粒圧縮法で用いられる。

 

乾式顆粒圧縮法(スラッグ法)では、打錠用の顆粒を乾式で作ることが特徴であるが、
その流れは、乾燥した状態の粉末原料を圧縮成形して塊とし(これをスラッギングと呼ぶ)、これを粉砕して打錠用の顆粒とする。

 

 

◆ bについて
b 〇 トローチ剤の製造では、崩壊剤は用いない。

 

トローチ剤は、口腔内で徐々に溶解又は崩壊することで、
口腔や咽頭などの局所に効果をもたらす製剤である。
よって、トローチ剤には薬剤の崩壊を促進する崩壊剤は用いない。

 

関連問題
トローチは溶出試験法や崩壊試験に適合? 93回問173d

 

 

◆ cについて
c × 打錠障害であるキャッピングやラミネーションは、結合剤の過剰な添加や滑沢剤の不足などが発生の原因とされる。

 

錠剤及びトローチ剤の製造 96回薬剤師国家試験問173

 

左側の図のように錠剤の上部が帽子状に薄く割れることをキャッピングといい、
右側の図のように錠剤が真ん中の辺りで割れて剥離することをラミネーションと呼ぶ。
キャッピング・ラミネーションといった錠剤が上下に割れる打錠障害の発生原因として、顆粒の過度な乾燥,結合剤の不足,滑沢剤の過量,圧縮速度や圧縮圧が過大であることなどが挙げられる。

 

各打錠障害については下記のリンク先を参照
各種の打錠障害とその原因 93回問175

 

 

◆ dについて
d 〇 口腔内崩壊錠の製法のひとつに、圧縮成型を行わない湿製法がある。

 

錠剤の製法のうち、湿製法(流し込み成形法)は溶媒で浸潤した原料を型に流し込んで成形する方法であり、打錠の工程がない。
そのため、湿製法(流し込み成形法)では、得られる錠剤の硬度が小さく、口腔内崩壊錠(OD錠)などの製造に用いられる。

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