水性注射剤の製造工程 104回薬剤師国家試験問174
104回薬剤師国家試験 問174
ある薬物の静注用の水性注射剤の製造工程を図に示した。本注射剤及びその製造工程に関する記述のうち、正しいのはどれか。1つ選びなさい。
1 アの操作として、高圧蒸気法を用いなければならない。
2 イの操作は、10−6 以下の無菌性保証水準が得られる条件で行われる。
3 容器Aは、日本薬局方一般試験法のエンドトキシン試験法に適合しなければならない。
4 溶剤Bは、日本薬局方一般試験法の発熱性物質試験法に適合しなければならない。
5 充てんは、表示量の±5%の範囲で行う。
104回薬剤師国家試験 問174 解答解説
設問の図は最終滅菌法による注射剤の製造工程を示しており、
ア,イの単位操作は滅菌であると考えられる。
◆ 1について
1 × アの操作として、高圧蒸気法を用いなければならない。
アの操作は滅菌であるが、
ガラス容器の滅菌には、高圧蒸気滅菌(オートクレーブ)の他、
乾熱滅菌も用いることができる。
◆ 2について
2 〇 イの操作は、10−6以下の無菌性保証水準が得られる条件で行われる。
イの操作は滅菌であり、
本問のように薬剤を容器に充填・密封したのちに滅菌する方法を最終滅菌法と呼ぶ。
最終滅菌法では、通例、10−6以下の無菌性保証水準が得られる条件で滅菌が行われる。
◆ 3について
3 × 容器Aは、日本薬局方一般試験法のエンドトキシン試験法に適合しなければならない。
注射の容器はエンドトキシン試験法に適合する必要はない。
◆ 4について
4 × 溶剤Bは、日本薬局方一般試験法の発熱性物質試験法に適合しなければならない。
注射剤の水性溶剤は,皮内,皮下及び筋肉内投与のみに用いるものを除き,別に規定するもののほか,エンドトキシン試験法に適合しなければならない。
エンドトキシン試験法の適用が困難な場合は,発熱性物質試験法を適用できる。
◆ 5について
5 × 充てんは、表示量の±5%の範囲で行う。
注射剤は採取容量試験法に適合しなければならない。この試験法は、注射剤が表示量よりやや過剰に採取できる量が容器に充?されていることを確認する試験法である。
アンプル,プラスチックバッグなどの単回投与容器又は分割投与容器で提供される注射剤は,通常,表示量を投与するのに十分な量の注射液で充?されており,過量は,製品の特性に応じて決まる。
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