薬剤師国家試験過去問題集 製剤化・製剤機械

製剤機械に関する記述 95回薬剤師国家試験問177

95回薬剤師国家試験 問177
製剤機械に関する記述のうち、正しいものはどれか。

 

a ロータリー型打錠機、エキセントリック型(単発型)打錠機のいずれにおいても、錠剤の質量は充填時の下杵の位置で調整できる。

 

b V 型混合機では、操作条件により理想的な混合が得られ、混合状態は粉体の性質の影響をほとんど受けない。

 

c 流動層造粒装置は、転動している粉体に結合剤溶液を噴霧するもので、円柱形の粒子が得られる。

 

d ジェットミルは、気体の流体エネルギーによって粉砕を行うもので、主として粒子間の高速衝突によって粉砕が促進される。

トップページへ

 

薬剤師国家試験過去問題 科目別まとめ一覧 へ

 

薬剤師国家試験過去問題 製剤化・製剤機械 一覧へ

 

 

95回薬剤師国家試験 問177 解答解説

 

◆ aについて
a 〇 ロータリー型打錠機、エキセントリック型(単発型)打錠機のいずれにおいても、錠剤の質量は充填時の下杵の位置で調整できる。

 

関連問題
ロータリー型打錠機とエキセントリック型打錠機の違い 88回問173a

 

ロータリー打錠機はターンテーブル1回転で複数個の錠剤が製造 85回問175の1

 

 

◆ bについて
b × V 型混合機では、操作条件により理想的な混合が得られ、混合状態は粉体の性質の影響をほとんど受けない。

 

混合機の種類によらず、混合状態は粉体の性質と操作条件の影響を受ける。

 

 

◆ cについて
c × 流動層造粒装置は、転動している粉体に結合剤溶液を噴霧するもので、円柱形の粒子が得られる。

 

流動層造粒法では、不定形で密度の小さい造粒物が得られる。

 

流動層造粒法は、下からの熱風により吹き上げられて流動している原料粉体に上から結合剤溶液を噴霧し、
粒子同士が接触することで造粒物を得る方法である。
流動層造粒法では、不定形で密度の小さい造粒物が得られる。
また、流動層造粒機は、同一装置内で混合,造粒,乾燥までできることが特徴であり、
コーティングまでできる機種もある。

 

なお、cの記述中の「転動している粉体に結合剤溶液を噴霧する造粒法」は、
転動造粒法である。

 

関連問題
空気で吹き上げた原料粉体に結合液を噴霧して造粒する方法 97回問52

 

流動層造粒装置は、混合、造粒、乾燥を1つの装置内で行える 102回問176の1

 

転動層造粒装置の特徴 83回問174b

 

 

◆ dについて
d 〇 ジェットミルは、気体の流体エネルギーによって粉砕を行うもので、主として粒子間の高速衝突によって粉砕が促進される。

 

ジェットミルは、噴出する圧縮空気の気流により粒子を加速させて、粒子どうしあるいは粒子と容器壁との衝突により粒子を微細化する粉砕機である。
なお、ジェットミルは、圧縮空気の膨張に伴い吸熱が起こり(ジュール・トムソン効果)、粉砕時の温度上昇が抑えられるので、熱に不安定な薬物や低融点化合物の粉砕にも用いられる。

 

製剤機械に関する記述 95回薬剤師国家試験問177

 

関連問題
噴出する圧縮空気の気流により粒子を微細化する粉砕機 101回問52

 

ジェットミルは熱に不安定な化合物や低融点化合物の粉砕に適している 106回問182の1

トップへ戻る