製剤用機器に関する記述 87回薬剤師国家試験問173
87回薬剤師国家試験 問173
製剤用機器に関する記述のうち,正しいものはどれか。
a 流動層造粒装置は混合と造粒を連続的に行うことができるが,できた湿った造粒物の乾燥には別装置が必要である。
b V型混合機は,本体が回転することによって粉粒体の集合と分割を交互に繰り返す。
c コロイドミルによって,懸濁剤や乳剤を調製することができる。
d 注射剤の製造のために用いられる凍結乾燥機は,薬物溶液を共晶点より高い温度で凍結し高真空下で溶媒を昇華して除く。
87回薬剤師国家試験 問173 解答解説
◆ aについて
a × 流動層造粒装置は混合と造粒を連続的に行うことができるが,できた湿った造粒物の乾燥には別装置が必要である。
流動層造粒機は、同一装置内で混合,造粒,乾燥までできることが特徴であり、
コーティングまでできる機種もある。
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◆ bについて
b 〇 V型混合機は,本体が回転することによって粉粒体の集合と分割を交互に繰り返す。
混合機には大きく分けて2つのタイプがある。
1つは混合容器自体が回転することにより、粉粒体の集合と分割を交互に繰り返して混合する容器回転型混合機である。容器回転型混合機としてV型混合機や二重円錐型混合機がある。
もう1つはリボンやスクリューなどの攪拌器具が容器内部に備え付けられている容器固定型混合機である。
容器固定型混合機としてリボン型混合機やスクリュー型混合機がある。
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旋回スクリュー型混合機は容器固定型混合機 106回問182の2
◆ cについて
c 〇 コロイドミルによって,懸濁剤や乳剤を調製することができる。
コロイドミルは、ステーターとローターとの隙間に生じるせん断応力により、乳濁液中の粒子を微細化・分散する機器であり、乳剤の調製に用いられる。
また、コロイドミルは懸濁液中の固体粒子の粉砕・分散もできるので、懸濁剤の調製にも用いられる。
◆ dについて
d × 注射剤の製造のために用いられる凍結乾燥機は,薬物溶液を共晶点より高い温度で凍結し高真空下で溶媒を昇華して除く。
凍結乾燥とは、薬物溶液を共晶点より低い温度で凍結し、
凍結状態のまま高真空下で溶媒を昇華させて乾燥させる方法であり、
用時溶解して用いる注射剤の製造などに用いられる。
凍結乾燥は熱に対して不安定な物質の保存法として用いられ、
バイオ医薬品でも性質や機能を維持したまま保存できる。