製剤の製造に関する記述 85回薬剤師国家試験問174
85回薬剤師国家試験 問174
製剤の製造に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
a Rittingerの式は、粉砕に要する仕事量は生成した新しい表面積に比例するという粉砕理論に基づいている。
b 熱分解しやすい原体を微粉砕する場合には、ジェットミルを用いて粉砕すると分解をある程度防げる。
c 原料粉体の混合に影響を及ぼす主要な物性としては、粒度、吸湿性、オリフィス流出速度、接触角、かさ密度、及び粘弾性などがあげられる。
d 球形顆粒を製造するには、まず原料を押し出し造粒機によって円柱状湿塊に製し、次いでボールミルに移して球状に整粒する。
85回薬剤師国家試験 問174 解答解説
◆ aについて
a 〇 Rittingerの式は、粉砕に要する仕事量は生成した新しい表面積に比例するという粉砕理論に基づいている。
◆ bについて
b 〇 熱分解しやすい原体を微粉砕する場合には、ジェットミルを用いて粉砕すると分解をある程度防げる。
ジェットミルは、噴出する圧縮空気の気流により粒子を加速させて、粒子どうしあるいは粒子と容器壁との衝突により粒子を微細化する粉砕機
ジェットミルでは、圧縮空気の膨張に伴い吸熱が起こり(ジュール・トムソン効果)、粉砕時の温度上昇が抑えられるので、熱に不安定な薬物や低融点化合物の粉砕にも用いられる。
◆ cについて
c × 原料粉体の混合に影響を及ぼす主要な物性としては、粒度、吸湿性、オリフィス流出速度、接触角、かさ密度、及び粘弾性などがあげられる。
粉体の混合に影響を及ぼす主要な物性として、粒子径,粒度分布,粒子形状,粒子密度,含水率,流動性などが挙げられる。
接触角や粘弾性は混合に影響を及ぼす主要な物性ではない。
◆ dについて
d × 球形顆粒を製造するには、まず原料を押し出し造粒機によって円柱状湿塊に製し、次いでボールミルに移して球状に整粒する。
球形顆粒を製造するには、まず原料を押し出し造粒機によって円柱状湿塊に製し、次いで球形造粒機(マルメライザー)に移して球状に整粒する。
ボールミルは、主薬や添加剤の原料粉末を粉砕して粒子径を小さくするための粉砕機であり、
円柱状湿塊を球状に整粒することには用いられない。