無菌製剤の調製、試験法 85回薬剤師国家試験問180
85回薬剤師国家試験 問180
無菌製剤の調製、試験法に関する次の記述の正誤について、正しいものはどれか。
a エンドトキシンは発熱性物質の一つである。
b 超ろ過法ではエンドトキシンは除去できない。
c 無菌医薬品製剤を製造する場合には、必ず、最終容器に充てんした後に滅菌する必要がある。
d 注射剤の不溶性微粒子試験法には第1法、第2法があるが、いずれも白色光源における肉眼観察で行うことが規定されている。
85回薬剤師国家試験 問180 解答解説
◆ aについて
a 〇 エンドトキシンは発熱性物質の一つである。
エンドトキシン(内毒素)とは、
グラム陰性菌の細胞壁の外膜の構成成分のリポ多糖であり、
発熱性物質である。
◆ bについて
b × 超ろ過法ではエンドトキシンは除去できない。
超ろ過法では、すべての微生物及びエンドトキシンを除去することが可能である。
◆ cについて
c × 無菌医薬品製剤を製造する場合には、必ず、最終容器に充てんした後に滅菌する必要がある。
無菌医薬品製剤を製造する方法として、
医薬品を最終容器に充てんした後に滅菌する方法(最終滅菌法)と
無菌工程によって製造する無菌操作法がある。
◆ dについて
d × 注射剤の不溶性微粒子試験法には第1法、第2法があるが、いずれも白色光源における肉眼観察で行うことが規定されている。
注射剤の不溶性微粒子試験法は、注射剤中の不溶性微粒子の大きさ及び数を試験する方法である。
注射剤の不溶性微粒子試験法には第1法(光遮蔽粒子計数法)と第2法(顕微鏡粒子計数法)があるが、
いずれも肉眼観察で行うものではない。
なお、白色光源における肉眼観察で行うことが規定されている試験として、
注射剤の不溶性異物検査法がある。
注射剤の不溶性異物検査法は、注射剤中の不溶性異物の有無を肉眼観察で調べる試験である。