薬剤師国家試験過去問題集 製剤化・製剤機械

造粒法に関する記述 98回薬剤師国家試験問177

98回薬剤師国家試験 問177
造粒法に関する記述のうち、誤っているのはどれか。1つ選びなさい。
1 破砕造粒法は、混合した粉末状の原料を圧縮成形した後、粉砕する方法なので、不定形の造粒物が得られる。
2 攪拌造粒法は、攪拌翼を高速回転させながら、結合剤溶液を噴霧して造粒する方法なので、重質で球形の造粒物が得られる。
3 噴霧乾燥造粒法は、熱風気流中に薬物と添加剤からなる溶液もしくは懸濁液を噴霧し、急速に乾燥する方法なので、球形の造粒物が得られる。
4 流動層造粒法は、熱風気流中に吹き上げた粉末に結合剤を噴霧して造粒する方法なので、流動層内で圧密化を受け、重質で球形の造粒物が得られる。
5 押し出し造粒法は、一定孔径のスクリーンから薬物と添加剤からなる混練物を押し出し、適当なサイズでカットして造粒する方法なので、円柱状の造粒物が得られる。

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98回薬剤師国家試験 問177 解答解説
◆ 1について
1 〇 破砕造粒法は、混合した粉末状の原料を圧縮成形した後、粉砕する方法なので、不定形の造粒物が得られる。

 

破砕造粒法は解砕造粒法とも呼ばれ、不定形の造粒物が得られる。

 

乾式破砕造粒法は、粉末状の原料をそのまま、または、粉末の結合剤を添加した後、圧縮成形してスラッグと呼ばれる板状の塊を作り、それを破砕,整粒して造粒物を得る方法である。

 

湿式破砕造粒法は、粉末状の原料に結合溶液を加えて湿塊とし、これを回転するナイフカッターで破砕して造粒物を得る方法である。

 

 

◆ 2について
2 〇 攪拌造粒法は、攪拌翼を高速回転させながら、結合剤溶液を噴霧して造粒する方法なので、重質で球形の造粒物が得られる。

 

攪拌造粒法では、原料粉体を攪拌翼で攪拌しながら上から結合剤溶液を噴霧する。
こうすることで塊ができ、それが攪拌翼や解砕翼で破砕されて造粒物ができる。
攪拌造粒法では、球形で密度の大きい造粒物が得られる。

 

 

◆ 3について
3 〇 噴霧乾燥造粒法は、熱風気流中に薬物と添加剤からなる溶液もしくは懸濁液を噴霧し、急速に乾燥する方法なので、球形の造粒物が得られる。

 

薬物溶液または薬物懸濁液を熱風中に噴霧し、
瞬間的に乾燥させることで造粒物を得る方法である。
噴霧乾燥造粒法では、小さい球形の造粒物が得られる。

 

造粒法に関する記述 98回薬剤師国家試験問177

 

 

◆ 4について
4 × 流動層造粒法は、熱風気流中に吹き上げた粉末に結合剤を噴霧して造粒する方法なので、流動層内で圧密化を受け、重質で球形の造粒物が得られる。流動層造粒法で得られる造粒物は、不定形で密度が小さい。

 

流動層造粒法は、下からの熱風により吹き上げられて流動している原料粉体に上から結合剤溶液を噴霧し、
粒子同士が接触することで造粒物を得る方法である。
流動層造粒法では、不定形で密度の小さい造粒物が得られる。
なお、流動層造粒機は、同一装置内で混合,造粒,乾燥までできることが特徴であり、
コーティングまでできる機種もある。

 

関連問題
空気で吹き上げた原料粉体に結合液を噴霧して造粒する方法 97回問52

 

流動層造粒装置は、混合、造粒、乾燥を1つの装置内で行える 102回問176の1

 

 

◆ 5について
5 〇 押し出し造粒法は、一定孔径のスクリーンから薬物と添加剤からなる混練物を押し出し、適当なサイズでカットして造粒する方法なので、円柱状の造粒物が得られる。

 

押し出し造粒法では、円柱状で密度の大きい造粒物が得られる。

 

造粒法に関する記述 98回薬剤師国家試験問177

 

関連問題
押し出し造粒法は顆粒剤の製造に用いられる 89回問170b

 

 

★ 他サイトさんの解説リンク
98回問177(e-RECさん)

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