製剤のコーティングに関する記述 96回薬剤師国家試験問176
96回薬剤師国家試験 問176
製剤のコーティングに関する記述のうち、正しいものはどれか。
a フィルムコーティングは、シュガーコーティングに比べて工程数が多く、コーティングに要する時間も長い。
b 錠剤のシュガーコーティングは、素錠への水分移行を防ぐために防水膜で被覆した後に行う。
c 顆粒剤やカプセル剤には、フィルムコーティングを施すことができない。
d ヒプロメロースフタル酸エステルは、腸溶性コーティング剤として使用される。
96回薬剤師国家試験 問176 解答解説
◆ a,bについて
a × フィルムコーティングは、シュガーコーティングに比べて工程数が多く、コーティングに要する時間も長い。
b 〇 錠剤のシュガーコーティングは、素錠への水分移行を防ぐために防水膜で被覆した後に行う。
シュガーコーティング(糖衣コーティング)は、フィルムコーティングに比べて工程数が多く、コーティングに要する時間も長い。
シュガーコーティングでは白糖の水溶液を用いるため、まず素錠にフィルムコーティングを施し、防水膜で被覆する。その後で糖衣の工程に入るが、下掛け,中掛け,上掛け,つや出しと工程数が多く、噴霧と乾燥を繰り返すことになる。
よって、シュガーコーティングはフィルムコーティングに比べて、コーティングに要する時間が長い。
◆ cについて
c × 顆粒剤やカプセル剤には、フィルムコーティングを施すことができない。
錠剤のほか、カプセル剤,丸剤,顆粒剤,散剤にもコーティングを施すことができる。
◆ dについて
d 〇 ヒプロメロースフタル酸エステルは、腸溶性コーティング剤として使用される。
ヒプロメロースフタル酸エステル(ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート)や酢酸フタル酸セルロース(セルロースアセテートフタレート:セラセフェート)などのフタル酸エステルは腸溶性コーティング剤として使用される。
他、腸溶性コーティング剤として用いられるものとして、ヒプロメロース酢酸エステルコハク酸エステル,メタクリル酸コポリマーなどがある。
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