腸溶性の高分子でないのはどれか 103回薬剤師国家試験問50
103回薬剤師国家試験 問50
腸溶性の高分子でないのはどれか。1つ選びなさい。
1 セラセフェート
2 メタクリル酸コポリマー
3 ヒドロキシプロピルセルロース
4 ヒプロメロースフタル酸エステル
5 ヒプロメロース酢酸エステルコハク酸エステル
103回薬剤師国家試験 問50 解答解説
腸溶性の高分子でないのは、
3のヒドロキシプロピルセルロースである。
ヒドロキプロピルセルロースは、セルロースのヒドロキシ基の一部にヒドロキシプロピル基(−CH2CHOHCH3)を結合させた半合成高分子である。
中高置換度のヒドロキプロピルセルロース(HPC)は、水やアルコールに溶け、粘調性のある溶液またはゲルとなり、湿式顆粒圧縮法の結合剤,胃溶性フィルムコーティング剤に使用される。
また、ヒドロキシプロピルセルロースは、水和によりゲル化する性質を利用して、徐放性のマトリックス基剤としても用いられる。
低置換度のヒドロキプロピルセルロース(L-HPC)は、水やアルコールに溶けず、崩壊剤として用いられる。
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以下、他の選択肢についての解説
1のセラセフェートは酢酸フタル酸セルロース(セルロースアセテートフタレート:CAP)のことで、セルロースの酢酸またはフタル酸の混合エステルであり、セルロースのヒドロキシ基の一部にアセチル基(−COCH3) とカルボキシベンゾイル基(−COC6H4COOH)がエステル結合した半合成高分子である。
セラセフェート(酢酸フタル酸セルロース:CAP)のようなフタル酸エステルは腸溶性コーティング剤として汎用される。
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2のメタクリル酸コポリマーは合成高分子であり、酸性条件では溶解せず、中性からアルカリ性条件で溶解するので、腸溶性コーティング剤として用いられる。
4のヒプロメロースフタル酸エステル(ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート:HPMCP)は、ヒドロキシプロピルメチルセルロースのフタル酸エステルであり、セルロースのヒドロキシ基の一部にメチル基,ヒドロキシプロピル基(−CH2CHOHCH3)カルボキシベンゾイル基(−COC6H4COOH)が結合した半合成高分子である。
ヒプロメロースフタル酸エステル(HPMCP)のようなフタル酸エステルは腸溶性コーティング剤として汎用される。
5のヒプロメロース酢酸エステルコハク酸エステルは、ヒドロキシプロピルメチルセルロースの酢酸またはコハク酸の混合エステルであり、セルロースのヒドロキシ基の一部にメチル基,ヒドロキシプロピル基(−CH2CHOHCH3),アセチル基(−COCH3),スクシニル基(−COC2H4COOH)が結合した半合成高分子である。
ヒプロメロース酢酸エステルコハク酸エステルは腸溶性コーティング剤として用いられる。
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