崩壊剤として用いられるのはどれか 100回薬剤師国家試験問54
100回薬剤師国家試験 問54
以下の添加剤のうち、崩壊剤として用いられるのはどれか。1つ選びなさい。
1 カルメロースカルシウム
2 ヒプロメロースフタル酸エステル
3 乳酸・グリコール酸共重合体
4 エチルセルロース
5 ステアリン酸マグネシウム
100回薬剤師国家試験 問54 解答解説
崩壊剤として用いられるのは、
1のカルメロースカルシウムである。
崩壊剤とは薬剤の消化管内での崩壊を促進する添加物であり、
セルロース類,デンプン類(スターチ),無機物質が崩壊剤として用いられる。
カルメロースとはカルボキシメチルセルロースことであり、
セルロースのヒドロキシ基の一部にカルボキシメチル基(−CH2COOH)を結合させた半合成高分子である。
カルメロースカルシウム(CMC-Ca)は水に不溶で、吸水して膨潤するため崩壊剤として用いられる。
カルメロースナトリウム(CMC-Na)は水溶性で、水溶液は粘調であり、結合剤,粘調化剤,乳液や懸濁液など分散系製剤の安定化剤,軟膏や乳剤の基剤として用いられる。
また、クロスカルメロースナトリウムは、カルメロースが内部架橋されたもの(クロスカルメロース)のナトリウム塩であるが、スーパー崩壊剤として用いられる。
関連問題
カルメロースナトリウムとカルメロースカルシウム 105回問181の1
以下、他の選択肢の添加剤について解説する。
2のヒプロメロースフタル酸エステル
(ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート:HPMCP)は、
ヒドロキシプロピルメチルセルロース(ヒプロメロース)のフタル酸エステルであり、酸性ではほとんど溶けないため、腸溶性コーティング剤として用いられる。フタル酸エステルは腸溶性コーティング剤として汎用される。
3の乳酸・グリコール酸共重合体は、生体内分解性であり、持続性注射剤用マイクロスフェアの基剤として用いられる。
4のエチルセルロースは徐放性コーティング剤として用いられる。
5のステアリン酸マグネシウムは滑沢剤として用いられる。
関連問題
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