滑沢剤のステアリン酸マグネシウムの過剰・不足と打錠障害 105回薬剤師国家試験問181の3
105回薬剤師国家試験 問181の3
下記の記述の正誤を判定してみよう。
3 ステアリン酸マグネシウムの配合量を相対的に減らすと、キャッピングが起こりやすくなる。
105回薬剤師国家試験 問181の3 解答解説
3 × ステアリン酸マグネシウムの配合量を相対的に減らすと、キャッピングが起こりやすくなる。
→ 〇 ステアリン酸マグネシウムの配合量を相対的に減らすと、ピッキング・スティッキング・バインディングが起こりやすくなる。
ステアリン酸マグネシウムは滑沢剤である。
滑沢剤は、適量を添加することにより、粉体の流動性を改善し、
臼や杵に対する付着防止・摩擦軽減、充填性の改善、圧縮成形性の向上などの効果がある。
滑沢剤が少なすぎると、
錠剤と杵が付着することによるピッキング・スティッキングや
錠剤と臼との間の摩擦によるバインディングの打錠障害が起こりやすくなる。
一方、滑沢剤の量が多すぎると、粒子間結合力低下による錠剤硬度の低下で、キャッピング・ラミネーションを引き起こす。
また、滑沢剤には撥水作用があるため、過剰になると、製剤の吸水性低下による崩壊時間の延長が起こる。