医薬品の酸化を防ぐために加えられる添加剤 101回薬剤師国家試験問51
101回薬剤師国家試験 問51
医薬品の酸化を防ぐために加えられる添加剤はどれか。1つ選びなさい。
1 結晶セルロース
2 アスコルビン酸
3 ステアリン酸マグネシウム
4 ショ糖
5 パラオキシ安息香酸ブチル
101回薬剤師国家試験 問51 解答解説
医薬品の酸化を防ぐために加えられる添加剤は、
2のアスコルビン酸である。
薬物の物理的変化や化学的変化を防止する添加剤を安定化剤といい、
安定化剤の1つとして酸化防止剤がある。
酸化防止剤には、還元性物質とキレート剤がある。
還元性物質として、アスコルビン酸(ビタミンC),トコフェロール(ビタミンE),亜硫酸塩が挙げられる。
キレート剤とは、酸化反応を触媒する重金属イオンを捕捉する物質であり、
エチレンジアミン四酢酸ナトリウム(エデト酸ナトリウム:EDTA)などがある。
関連問題
安定化のために用いられるキレート剤の作用 87回問175b
以下、他の選択肢についての解説。
1の結晶セルロースは、結合剤,崩壊剤,滑沢剤の機能を兼ね備えた賦形剤として用いられるが、
結合剤として用いられる場合は直接打錠用に限られる。
関連問題
直接打錠用の結合剤はどれか 97回問51
3のステアリン酸マグネシウムは、滑沢剤として用いられる。
4のショ糖はスクロースのことであり、グルコースとフルクトースがα1→β2結合した二糖である。
ショ糖は賦形剤や糖衣コーティング剤として用いられる。
5のパラオキシ安息香酸ブチルは、保存剤(防腐剤)として用いられる。
パラオキシ安息香酸エステル類(p-hydroxybenzoate)はパラベンと呼ばれ、
細菌や真菌などの微生物の発育を抑える作用があるため、
保存剤として用いられる。
なお、輸液などの多量に注射する製剤には,
パラオキシ安息香酸エステル類などの保存剤は使用しないので注意。
関連問題
パラオキシ安息香酸エステル類は輸液の保存剤として使用されない 96回問175c
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