86回薬剤師国家試験問176 医薬品添加剤に関する記述
86回薬剤師国家試験 問176
医薬品添加剤に関する記述のうち、正しいものはどれか。
a ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレートは、直接打錠法の結合剤として用いられる。
b 酢酸フタル酸セルロースは、錠剤の腸溶性コーティング基剤として用いられる。
c テオフィリン注射剤の安定剤としてエチレンジアミンが用いられる。
d 軟膏剤の防腐剤としてパラオキシ安息香酸エステル類が用いられる。
86回薬剤師国家試験 問176 解答解説
◆ a,bについて
a × ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレートは、直接打錠法の結合剤として用いられる。
b 〇 酢酸フタル酸セルロースは、錠剤の腸溶性コーティング基剤として用いられる。
ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート(ヒプロメロースフタル酸エステル)や、
酢酸フタル酸セルロース(セルロースアセテートフタレート:セラセフェート)などのフタル酸エステルは腸溶性コーティング剤として使用される。
ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレートは結合剤としては用いられない。
関連問題
直接打錠用の結合剤 97回問51
◆ cについて
c × テオフィリン注射剤の安定剤としてエチレンジアミンが用いられる。
→ 〇 テオフィリン注射剤の溶解補助剤としてエチレンジアミンが用いられる。
テオフィリン注射剤に溶解補助剤としてエチレンジアミンを添加し、
溶解性を高めた製剤がアミノフィリンとして用いられている。
◆ dについて
d 〇 軟膏剤の防腐剤としてパラオキシ安息香酸エステル類が用いられる。
パラオキシ安息香酸エステル類(p-hydroxybenzoate)はパラベンと呼ばれ、
細菌や真菌などの微生物の発育を抑える作用があるため、
保存剤(防腐剤)として塗り薬,点眼剤,注射剤などに添加される。
なお、輸液などの多量に注射する製剤には,
パラオキシ安息香酸エステル類などの保存剤は使用しないので注意。