カルテオロール点眼剤の添加剤 101回薬剤師国家試験問283
101回薬剤師国家試験 問283
カルテオロール塩酸塩点眼液1%(持続性)には、下記の添加剤が含まれている。それぞれの添加剤の使用目
的のうち、正しいのはどれか。2つ選びなさい。
1 ベンザルコニウム塩化物は、主薬の酸化防止剤として添加されている。
2 塩化ナトリウムは、等張化剤として添加されている。
3 リン酸二水素ナトリウムは、着色剤として添加されている。
4 水酸化ナトリウムは、保存剤として添加されている。
5 アルギン酸は、主薬の眼表面での滞留性向上の目的で添加されている。
101回薬剤師国家試験 問283 解答解説
◆ 1について
1 × ベンザルコニウム塩化物は、主薬の酸化防止剤として添加されている。
→ 〇 ベンザルコニウム塩化物は、保存剤(防腐剤)として添加されている。
ベンザルコニウム塩化物は陽イオン性界面活性剤である。
陽イオン性界面活性剤は逆性せっけんと呼ばれ、
殺菌・消毒作用があるので、
微生物の増殖を抑制するための保存剤(防腐剤)として添加される。
関連問題
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◆ 2について
2 〇 塩化ナトリウムは、等張化剤として添加されている。
◆ 3について
3 × リン酸二水素ナトリウムは、着色剤として添加されている。
→ 〇 リン酸二水素ナトリウムは、緩衝剤として添加されている。
リン酸二水素ナトリウムはpHの変動を抑制する緩衝剤として働く。
なお、医薬品に着色だけを目的とした添加剤は使用できない。
◆ 4について
4 × 水酸化ナトリウムは、保存剤として添加されている。
→ 〇 水酸化ナトリウムは、pH調整剤として添加されている。
水酸化ナトリウムは溶液を目標とするpHに到達させるために添加されている。
◆ 5について
5 〇 アルギン酸は、主薬の眼表面での滞留性向上の目的で添加されている。
アルギン酸はマンヌロン酸とグルロン酸から成る多糖であり、
コンブやワカメ等の褐藻類の海藻から得られる食物繊維である。
本剤において、アルギン酸は増粘剤として働き、主薬の眼表面での滞留性を向上させ、効果の持続性を高めている。
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101回問282,283(e-RECさん)