85回薬剤師国家試験問176 固形製剤に用いられる添加物とその用途
85回薬剤師国家試験 問176
固形製剤に用いられる添加物とその用途を次に示す。a〜eのうち、正しい組み合わせはどれか。
85回薬剤師国家試験 問176 解答解説
正解はbとdである。
◆ a:結晶セルロース
結晶セルロースは、α−セルロースを鉱酸(無機酸)で部分的に解重合し,精製した半合成高分子である。
結晶セルロースは、水や有機溶剤に不溶であるが、水を吸って膨潤する性質がある。
結晶セルロースは、結合剤,崩壊剤,滑沢剤の機能を兼ね備えた賦形剤として用いられるが、
結合剤として用いられる場合は直接打錠用に限られる。
関連問題
結晶セルロースは直接打錠用の結合剤として用いられる? 97回問51
結晶セルロースの溶解性・崩壊剤としての利用について 88回問175a
◆ b:ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート
ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート(ヒプロメロースフタル酸エステル)などのフタル酸エステルは腸溶性コーティング剤として使用される。
◆ c:ヒドロキシプロピルセルロース
ヒドロキプロピルセルロースは、セルロースのヒドロキシ基の一部にヒドロキシプロピル基(−CH2CHOHCH3)が結合してエーテルとなっている半合成高分子である。
中高置換度のヒドロキプロピルセルロース(HPC)は、水やアルコールに溶け、粘調性のある溶液またはゲルとなり、湿式顆粒圧縮法の結合剤,胃溶性フィルムコーティング剤に使用される。
また、ヒドロキシプロピルセルロースは、水和によりゲル化する性質を利用して、徐放性のマトリックス基剤としても用いられる。
低置換度のヒドロキプロピルセルロース(L-HPC)は、水やアルコールに溶けず、崩壊剤として用いられる。
関連問題
中高置換度と低置換度のヒドロキシプロピルセルロースの用途 93回問177b
◆ d:ポリビニルピロリドンK25
ポリビニルピロリドン(ポビドン:PVP)は、
湿式顆粒圧縮法の結合剤,懸濁剤,フィルムコーティング剤,溶解補助剤として用いられる。
ポリビニルピロリドンの詳細は下記のリンク先を参照
懸濁化剤や結合剤として用いる合成高分子 106回問52