83回薬剤師国家試験問174 粉体の造粒に関す記述の正誤
83回薬剤師国家試験 問174
粉体の造粒に関する次の記述の正誤について、正しいものはどれか。
a 攪拌造粒とは、粉体を容器に入れ攪拌しながら液体の結合剤を添加して粒子を凝集させ、これを乾燥させる繰作で、球形に近い粒子が得られる。
b 転動層造粒とは、粉体を入れた容器に下から熱風を送り粉体が空中にやや浮いた状態で結合剤を吹き付け、粒子を凝集乾燥させる操作で、比較的かさ高い造粒物が得られる。
c 噴霧乾燥造粒とは、溶液あるいは懸濁液をスプレーなどで微粒化して熱風中で乾燥させる操作で、比較的小さな粒子が得られる。
d 押出し造粒とは、粉体の湿塊を小孔から円柱状に押し出したのち乾燥させる操作で、比較的密度の高い粒子が得られる。
83回薬剤師国家試験 問174 解答解説
◆ aについて
a 〇 攪拌造粒とは、粉体を容器に入れ攪拌しながら液体の結合剤を添加して粒子を凝集させ、これを乾燥させる繰作で、球形に近い粒子が得られる。
攪拌造粒法では、原料粉体を攪拌翼で攪拌しながら上から結合剤溶液を噴霧する。
こうすることで塊ができ、それが攪拌翼や解砕翼で破砕されて造粒物ができる。
攪拌造粒法では、球形で密度の大きい造粒物が得られる。
◆ bについて
b × 転動層造粒とは、粉体を入れた容器に下から熱風を送り粉体が空中にやや浮いた状態で結合剤を吹き付け、粒子を凝集乾燥させる操作で、比較的かさ高い造粒物が得られる。
転動層造粒は、医薬品粉末を転動させながら、結合剤溶液を噴霧し、
粒子を大きくしていく造粒法である。
転動造粒では雪だるま式に粒子が大きくなるので、球形に近い粒子が得られる。
なお、bの記述の「粉体を入れた容器に下から熱風を送り粉体が空中にやや浮いた状態で結合剤を吹き付け、粒子を凝集乾燥させる」という造粒法は、流動層造粒法である。
関連問題
転動造粒装置の特徴と得られる粒子の形 88回問173c
◆ cについて
c 〇 噴霧乾燥造粒とは、溶液あるいは懸濁液をスプレーなどで微粒化して熱風中で乾燥させる操作で、比較的小さな粒子が得られる。
◆ dについて
d × 押出し造粒とは、粉体の湿塊を小孔から円柱状に押し出したのち乾燥させる操作で、比較的密度の高い粒子が得られる。
押し出し造粒法は、一定孔径の小孔から薬物と添加剤からなる混練物を押し出し、適当なサイズでカットして造粒する方法である。
押し出し造粒法では、円柱状で密度の大きい造粒物が得られる。