バイオアベイラビリティを改善するために使用される方法 82回薬剤師国家試験問164
82回薬剤師国家試験 問164
消化管内での溶解性が低いためにバイオアベイラビリティが低い薬物がある。このもののバイオアベイラビリティを改善するために使用される方法として適切と考えられるものはどれか。a〜fより、2つ選びなさい。
a 湿式造粒
b 非晶質化
c フィルムコーティング
d 直接打錠
e 微粉化
f 転動造粒
82回薬剤師国家試験 問164 解答解説
薬物の消化管内での溶解性を改善し、バイオアベイラビリティを改善するために使用される方法は、
bの非晶質化とeの微粉化である。
◆ b:非晶質化について
非晶質(無晶形)は、粒子を構成する分子や原子が不規則に配列したものである。
一般に、非晶質は結晶形に比べて溶解度が高いので、薬物を非晶質化することは溶解性を改善する方法として適切である。
◆ e:微粉化について
粉体を粉砕して微粉化すると、薬物の粒子径が小さくなり、比表面積が大きくなるので、溶解速度が増大する。
以下、他の選択肢について
◆ a:湿式造粒 f:転動造粒について
粉体を造粒すると、薬物の粒子径が大きくなり、比表面積が小さくなるので、溶解速度が低下する。
◆ c:フィルムコーティングについて
フィルムコーティングをすると薬物の溶出性は低下する。
◆ d:直接打錠について
打錠とは錠剤にすることであるが、錠剤は顆粒剤,散剤などの他の経口製剤に比べて薬物の粒子径が大きく、比表面積が小さいので、溶解速度が低下する。