薬剤師国家試験過去問題集 製剤化・製剤機械

製剤化に関する記述 97回薬剤師国家試験問179

97回薬剤師国家試験 問179
製剤化に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選びなさい。
1 乾式顆粒圧縮法は、水分や熱に対して不安定な薬物を錠剤化するのに適する。
2 糖衣コーティングは、フィルムコーティングと比較して工程に要する時間が短い。
3 滴下法による軟カプセル剤の製造では、薬物の充てんとカプセル被膜の形成が同時に行われる。
4 凍結乾燥法で注射剤を製造する場合、賦形剤を添加することはできない。

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97回薬剤師国家試験 問179 解答解説

 

◆ 1について
1 〇 乾式顆粒圧縮法は、水分や熱に対して不安定な薬物を錠剤化するのに適する。

 

乾式顆粒圧縮法(スラッグ法)は、打錠用の顆粒を乾式で作ることが特徴であり、
結合剤を溶液または懸濁液としてではなく粉末のまま添加し、そのことから乾燥させる工程がない。
よって、乾式顆粒圧縮法は主薬が水分や熱に不安定な場合でも利用可能である。

 

また、直打法とセミ直打法も主薬が水分や熱に不安定な場合でも利用可能である。

 

関連問題
スラッギングとは 96回問173a

 

 

◆ 2について
2 × 糖衣コーティングは、フィルムコーティングと比較して工程に要する時間が短い。
→ 〇 糖衣コーティングは、フィルムコーティングと比較して工程に要する時間が長い。

 

詳細は下記のリンク先を参照
シュガーコーティングとフィルムコーティング 96回問176ab

 

 

◆ 3について
3 〇 滴下法による軟カプセル剤の製造では、薬物の充てんとカプセル被膜の形成が同時に行われる。

 

滴下法は二重ノズル法と呼ばれ、内側のノズルから薬物を放出し、
外側のノズルからゼラチン等のカプセル剤皮を放出し、
それらを滴下・冷却・固化することで軟カプセル剤を作る方法である。
滴下法(二重ノズル法)では瞬間的に薬物溶液をカプセル剤皮で包み込めるので、
シームレスカプセル(つなぎめの無いカプセル)の軟カプセル剤を製することができる。

 

 

◆ 4について
4 × 凍結乾燥法で注射剤を製造する場合、賦形剤を添加することはできない。
→ 〇 凍結乾燥法で注射剤を製造する場合、賦形剤を添加することができる。

 

 

★ 他サイトさんの解説リンク
97回問179(e-RECさん)

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