アミノ酸の生合成過程の一部を示した図 第99回薬剤師国家試験問107
第99回薬剤師国家試験 問107
アミノ酸(C)の生合成過程の一部を示した図に関する記述の正誤を判定してみよう。
1 Aはアスパラギン酸を酸化すると得られる。
2 AからBへの変換において生じるXは水である。
3 Bはラクタム構造をもつ。
4 BはNADHによって還元されて最終的にCになる。
5 Cの名称はヒスチジンである。
第99回薬剤師国家試験 問107 解答解説
◆ 1について
1 × Aはアスパラギン酸を酸化すると得られる。
→ ○ Aはグルタミン酸を還元すると得られる。
下記の通り、Aはグルタミン酸において、側鎖のカルボキシ基が還元されてアルデヒドに変換されたものである。
◆ 2について
2 ○ AからBへの変換において生じるXは水である。
アルデヒド・ケトンに対し、酸触媒下で求核試薬としてアンモニアまたは一級アミンを反応させると、求核付加の後、脱水が起こってイミンが生成する。
アルデヒド・ケトンとアミンの反応については、下記のリンク先を参照
92回問9d
設問のAからBへの変換は下記の通り。
◆ 3について
3 × Bはラクタム構造をもつ。
→ ○ Bはイミン構造をもつ。
下記の通り、Bはイミン構造を持つ(窒素がカチオンになっているのでイミニウム)。
ラクタムとは環状アミド構造を指すが、Bはラクタムを持たない。
ラクタムについては、下記のリンク先を参照
91回問8e
◆ 4について
4 ○ BはNADHによって還元されて最終的にCになる。
NADHの触媒により、Bのイミンの二重結合に水素が付加される還元でCが合成されている。
◆ 5について
5 × Cの名称はヒスチジンである。
→ ○ Cはプロリンである。
Cはプロリンであり、ピロリジン骨格を持つ二級アミノ酸である。
ヒスチジンはイミダゾール骨格を持つ一級アミノ酸である。
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