薬物にポリエチレングリコールを結合させる目的 99回薬剤師国家試験問283
99回薬剤師国家試験 問283
ペグインターフェロンアルファ-2bは、インターフェロンアルファ-2bにメトキシポリエチレングリコールを結合させたものである。この結合の目的として、誤っているのはどれか。1つ選びなさい。
1 水溶性の向上
2 抗原性の低下
3 タンパク質分解酵素に対する安定性の向上
4 肝臓への標的指向化
5 糸球体ろ過の抑制
99回薬剤師国家試験 問283(薬剤) 解答解説
薬物にポリエチレングリコールを結合させる目的として、
誤っているのは、選択肢4の肝臓への標的指向化である。
他の選択肢の「1 水溶性の向上」,「2 抗原性の低下」,「3 タンパク質分解酵素に対する安定性の向上」,
「5 糸球体ろ過の抑制」は、薬物にポリエチレングリコールを結合させる目的となる。
薬物をポリエチレングリコールで修飾すること(PEG化)による効果として、親水性の向上、抗体や分解酵素に対する安定性の向上、抗原性の低下による細網内皮系免疫細胞による認識と貪食の抑制、粒子サイズの拡大により腎排泄の抑制といったことが挙げられる。
以上のことから、薬物のPEG化により、血中滞留性の向上、作用の持続化、受動的ターゲティングが図れる。
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99回問282,283(e-RECさん)