経口徐放性製剤の利点 103回薬剤師国家試験問55
103回薬剤師国家試験 問55
経口徐放性製剤の利点として適切なのはどれか。1つ選びなさい。
1 作用発現開始時間の短縮
2 肝初回通過効果の減少
3 最高血中濃度の増大
4 副作用発現頻度の低下
5 最小有効濃度の低下
103回薬剤師国家試験 問55 解答解説
経口徐放性製剤の利点として適切なのは、
選択肢4の副作用発現頻度の低下である。
徐放性製剤の投与後の血中濃度は平坦であるため、
血中濃度の急激な立ち上がりによる副作用の発現を抑制できる。
さらに、徐放性製剤では、長時間にわたり有効血中濃度が維持されるため、投与回数を減らすことができ、服薬コンプライアンスを向上することができる。
以下、他の選択肢について
1 × 作用発現開始時間の短縮
一般に、徐放性製剤とすることで、作用発現開始時間は延長される。
2 × 肝初回通過効果の減少
徐放性製剤とすることにより、薬物が初回通過効果を受ける可能性は高くなる。
また、消化管の吸収部位を通過後に放出された薬物は、吸収されずに糞便中に排泄されるが、
吸収部位が狭い薬物の場合、徐放性製剤とすることで、吸収率が低下する可能性がある。
3 × 最高血中濃度の増大
一般に、徐放性製剤とすることで、最高血中濃度は低下する。
5 × 最小有効濃度の低下
徐放性製剤にしても最小有効濃度は変化しない。
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