88回薬剤師国家試験問6 アセチレンのCH結合の軌道,イソプロピルカルボカチオンの中央炭素の軌道

第88回薬剤師国家試験 問6 
炭素原子の混成軌道に関する下記の記述の正誤を判定してみよう。

 

a プロパンの中央炭素と末端炭素との結合は、sp3混成軌道とsp3混成軌道からなるシグマ(σ)結合である。
b アセチレンのCH結合は、sp混成軌道とs軌道からなるシグマ(σ)結合である。
c イソプロピルカルボカチオンの中央炭素は、sp3混成軌道をもつ。
d アレン(プロパジエン)の中央炭素は、sp2混成軌道をもつ。
e ホルムアルデヒドの炭素は、sp2混成軌道をもつ。

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第88回薬剤師国家試験 問6 解答解説

 

◆ aについて
a 〇 プロパンの中央炭素と末端炭素との結合は、sp3混成軌道とsp3混成軌道からなるシグマ(σ)結合である。

 

88回薬剤師国家試験問6 アセチレンのCH結合,イソプロピルカルボカチオン

 

 

◆ bについて
b 〇 アセチレンのCH結合は、sp混成軌道とs軌道からなるシグマ(σ)結合である。
アセチレンのC−Hの結合は、Cのsp混成軌道とHのs軌道からなるシグマ(σ)結合である。

 

なお、アセチレンのC≡Cの三重結合の内訳は、1つがsp混成軌道−sp混成軌道から成るシグマ(σ)結合であり、残り2つが2組のp軌道−p軌道から成るパイ(π)結合である。

 

88回薬剤師国家試験問6 アセチレンのCH結合,イソプロピルカルボカチオン

 

★参考外部サイトリンク
結合と共鳴(役に立つ薬の情報〜専門薬学さん)

 

 

◆ cについて
c × イソプロピルカルボカチオンの中央炭素は、sp3混成軌道をもつ。
→ 〇 イソプロピルカルボカチオンの中央炭素は、sp2混成軌道をもつ。

 

イソプロピルカルボカチオンの中央炭素(C+)はsp2混成軌道を持っており、また、空のp軌道を1つ持っている。

 

88回薬剤師国家試験問6 アセチレンのCH結合,イソプロピルカルボカチオン

 

★参考外部サイトリンク
sp3、sp2、sp混成軌道の見分け方とヒュッケル則(役に立つ薬の情報〜専門薬学さん)

 

 

◆ dについて
d × アレン(プロパジエン)の中央炭素は、sp2混成軌道をもつ。
→ 〇 アレン(プロパジエン)の中央炭素は、sp混成軌道をもつ。

 

アレン(プロパジエン)の中央炭素はsp混成軌道を持ち、かつ、
2つの2p軌道を持つ。

 

また、アレンの両端の炭素原子はそれぞれsp2混成軌道を持ち、かつ、1つの2p軌道を持つ。

 

88回薬剤師国家試験問6 アセチレンのCH結合,イソプロピルカルボカチオン

 

 

◆ eについて
e 〇 ホルムアルデヒドの炭素は、sp2混成軌道をもつ。

 

ホルムアルデヒド(HCHO)において、炭素はsp2混成軌道を持ち、酸素はsp2混成軌道を持ち2組の非共有電子対がsp2混成軌道に入っている。

 

88回薬剤師国家試験問6 アセチレンのCH結合,イソプロピルカルボカチオン

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