91回薬剤師国家試験問13 キシロースからキシリトールヘの変換
91回薬剤師国家試験 問13
キシロースからキシリトールヘの変換に関する次の記述の正誤を判定してみよう。
a 図中のキシロースはD糖である。
b キシロースからキシリトールヘの変換反応は還元反応である。
c キシリトールは光学活性である。
d キシリトールは不斉炭素原子を持たない。
91回薬剤師国家試験 問13 解答解説
◆ aについて
a 〇 図中のキシロースはD糖である。
単糖のD体L体については下記のリンク先を参照
単糖のD体L体
設問のフィッシャー投影式のキシロースは、上にアルデヒド基があり、そこから最も離れた不斉炭素のヒドロキシ基が右側にあるのでD糖である。
◆ bについて
b 〇 キシロースからキシリトールヘの変換反応は還元反応である。
アルデヒド・ケトンを還元するとアルコールを生成する。
アルドースのアルデヒド,ケトースのケトンを還元すると糖アルコールとなる。
◆ c,dについて
c × キシリトールは光学活性である。
→ 〇 キシリトールは光学不活性である。
d × キシリトールは不斉炭素原子を持たない。
→ 〇 キシリトールは不斉炭素原子を持つ。
キシリトールは不斉炭素(*)を持つが、分子内対称面を持つため光学不活性である。
このように、不斉炭素を持つが、分子内対称面を持つため光学不活性な化合物をメソ体(メソ化合物)と呼ぶ。